■指揮:園田隆一郎,演奏:東京フィルハーモニー交響楽団 ■NHK・Eテレ,2016.5.22(NHKホール2016.4.10収録) ■「レ・ランデヴ」,振付:F・アシュトン,出演:小林紀子バレエ・シアタ これは爽やかな舞台だ。 端として申し分ない。 そしていつものことだがカメラワークがいい。 舞台全体と部分のどちらもしっかりと撮影し対象をじっくりと見させてくれる。 客席に座っているようだ。 さすがNHKである。 ■「オセロ」,原案:W・シェイクスピア,音楽:A・G・シュニトケ,振付:日原永美子,出演:谷桃子バレエ団 新作らしい。 振付家も自慢していたが音楽が心理状況に上手く寄り添っている。 しかしダンサーたちの喜怒哀楽が大げさにみえる。 短い時間で巧くまとめた反動かもしれない。 ここはもっと抑えて身体に比重を移したほうがよいと思うが・・。 ■「モーツァルト・ア・ドゥから」,振付:T・マランダン,出演:橋本清香,木本全優 マランダンと海外バレエ団で活躍中二人の組み合わせは普段見られないので貴重だ。 ■「ゼンツァーノの花祭りから」「ナポリから」,プロデュース:M・ルグリ,出演:未来のエトワールたち 若いダンサーたちの踊り難そうな振付部分がわかるから素人がみると参考になる。 ■「リラの園」,振付:A・チューダー,音楽:A=E・ショーソン,スターダンサーズ・バレエ団 プレパラシオンのない動きは舞台芸術の基本だとおもう。 感情は微分化されるのであとに残らない。 先ほどみた「オセロ」はこの逆である。 感情を積分化している。 これで過剰を招き寄せてしまった。 能楽の面などは微分し続けている表情である。 今回の6作品中で一番気に入った。 ■「くるみ割り人形からグラン・パ・ド・ドゥ」,振付:P・ライト,出演:平田桃子,S・モラレス 平田桃子をトリに持ってきた順序は見事である。 彼女は瞬間瞬間に1/100秒の余裕を持って踊り続けている。 やはり微分化である。 これが観る者にバレエの楽しさと豊かさを伝えてくれる。 日常とは積分化することである。 舞台は非日常に向かってほしい。 *2016.6.19追記、 「夢をかなえるアン・ドゥ・トロワ、ルグリと目指せバレエの饗宴」をEテレ再放送で観る。 「NHKバレエの饗宴2016」に...