■エンターテイナー

■作:J・オズボーン,演出:R・アシュフォード,出演:K・ブラナ,G・グレインジャ,F・ダンスタ
■TOHOシネマズ日本橋,2016.12.9-15(ガリック劇場,2015年?収録)
■作者のインタビュー映像が最初に流れるの。 なぜかというと「怒りを込めて振りかえれ」の作者と同姓同名だから。
時代は1950年代ロンドン、エンターテイナーの主人公ライスとその家族の物語ね。 彼の後妻や前妻の子供たちが登場、そして彼の父も有名エンターテイナなの。 このためか日常会話が派手にみえる。 でも豊かな雑談だわ。 スエズ動乱での息子の死、父の再婚話やトロント移住など当時の英国風景が重なっていて引き込まれるからよ。 ブラナー・シアター・ライブを3本続けて観たけどこの作品が一番ね。 ブラナの得意分野だとおもう。
舞台は父の住居だけど時々ミュージックホールに早変わりするのが楽しい。 住居背景の鉄道会社の海水浴場広告が緞帳に変わるの。 その緞帳の前で歌や踊りが披露される。 舞台上の柱などの装飾はとても凝っている。 舞台にもう一つのガリック劇場があるみたい。 ライスの歌と踊りが終わると住居に変わり日常会話が再会するという流れが良く出来ている。
でも会話中に酒を飲む場面が多すぎる。 これはちょっと酷い。 酒がなくても面白くすることはできるのに・・。 これを差し引いても楽しかったわ。 ともかくブラナーの表裏が見える舞台だった。
休息時間にクイズが上映されたの。 「1950年代に一番売れた雑誌は?」。 答えは「ラジオ・タイムズ」。 「配給制が無くなった年は?」。 「・・1954年」。 この舞台背景は未だ戦時の配給制度が残っていてラジオが全盛だったということね。
*作品サイト、http://www.branaghtheatre.com/the-entertainer/index.php