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■2023年舞台ベスト10

*当ブログに書かれた作品から選出. 並びは上演日順. 映像・映画は除く. ■ 赤い靴   演出:加藤野奈,劇団:唐組 ■ 人形の家   演出:宮城聰,劇団:SPAC ■ 少女仮面   演出:黒田瑞仁,劇団:ゲッコーパレード ■ 人魂を届け に   演出:前川知大,劇団:イキウメ ■ リゴレット   演出:エミリオ・サージ,指揮:マウリツィオ・ベニーニ,劇場:新国立劇場 ■ ジュリオ・チェーザレ   演出:佐藤美晴,指揮:鈴木優人,楽団::バッハ・コレギウム・ジャパン ■ 金夢島   演出:アリアーヌ・ムヌーシュキン,劇団:太陽劇団テアトル・デュ・ソレイユ ■ 尺には尺を   演出:鵜山仁,劇場:新国立劇場 ■ 午後の曳航   演出:宮本亜門,指揮:アレホ・ペレス,劇場:日生劇場 ■ 采女 、 翁 、 屋島   出演::観世清和,野村萬斎,観世喜正ほか,劇場:国立能楽堂 *上記「采女」「翁」「屋島」は能楽ベスト3として一つにまとめた. *昨年の舞台ベスト10は・・「 2022年舞台ベスト10 」. *今年の舞台映像ベスト10は・・「 2023年舞台映像ベスト10 」. *今年の美術展ベスト10は・・「 2023年美術展ベスト10 」.

■2023年舞台映像ベスト10

*舞台公演を映画・配信にした作品が対象。 当ブログのラベルで「映像」が該当。 並びは観賞日順。 ■ フェドーラ   演出:デイヴィッド・マクヴィカー,指揮:マルコ・アルミリアート,劇場:メトロポリタン歌劇場 ■ るつぼ   演出:リンゼイ・ターナ-:,劇団:ロイヤル・ナショナル・シアター ■ ミソロジーズ   演出:アンジュラン・プレルジョカージュ,劇場:パリ・シャトル座 ■ トランジツト   演出:テロ・サーリネン,舞団:テロ・サーリネン・カンパニー ■ チャンピオン   演出::ジェイムズ・ロビンソン,指揮:ヤニック・ネゼ=セガン,劇場:メトロポリタン歌劇場 ■ コンサート・フォー・ジョージ   監督:デヴィッド・リーランド,劇場:ロイヤル・アルバート・ホール ■ 舞台神聖祭典劇パルシファル   演出:ジェイ・シャイブ,指揮:パブロ・エラス・カサド,劇場:バイロイト祝祭劇場 ■ ベジャール・プログラム   振付:モーリス・ベジャール,劇場:パリオペラ座・バスチーユ ■ 桜の園   演出:ショーン・ホームズ,劇場:パルコ劇場 ■ デッドマン・ウォーキング   演出:イヴォ・ヴァン・ホーヴェ,指揮:ヤニック・ネゼ=セガン,劇場:メトロポリタン歌劇場 *昨年の舞台映像ベスト10は・・「 2022年舞台映像ベスト10 」. *今年の舞台ベスト10は・・「 2023年舞台ベスト10 」. *今年の美術展ベスト10は・・「 2023年美術展ベスト10 」.

■能楽堂十二月「善界」「通円」「屋島」

*国立能楽堂十二月企画公演の□3舞台を観る. □一調・善界(ぜかい)■出演:山﨑正道,大川典良 □狂言・和泉流・通円■出演:野村萬斎,高野和憲,石田幸雄ほか □能・観世流・屋島(弓流・奈須与市語)■出演:観世喜正,永島充,大日方寛ほか ■国立能楽堂,2023.12.23 ■一調の「善界」で脳ミソが生き返った。 次の「通円」で脳ミソが柔らかくなる。 そして「屋島」で脳ミソが爆発した。 今日は脳ミソが喜び続けた。 「・・長閑なる、春や心を誘ふらん」。 静で始まる「屋島」は錣引(しころびき)、奈須与市語(なすのよいちのかたり)、弓流(ゆみながし)の三つの動へ直進するベクトルが素晴らしい。 シテとワキ、地謡、囃子のすべてが共振しあっていた。 シテの声・動き・舞に文句無し。 面は「三光尉」から「白平太」へ。  ところで野村萬斎が「屋島」で与市を語ったが、「通円」と発声方法が違っていた。 シテ役で面を付けると耳に届くが、アイ役の直面では発音が丸まっていて聴き難い。 意識的にしていると思うが、聴き易くなるよう考えてほしい。 *劇場、 https://www.ntj.jac.go.jp/schedule/nou/2023/12136.html?lan=j

■マシュー・ボーンの「くるみ割り人形!」

■音楽:P・チャイコフスキー,演出:マシュー・ボーン,出演:コーデリア・ブレイスウェイ,ハリソン・ドウゼル,アシュリー・ショー他,音楽:ニュー・アドベンチャーズ管弦楽団,舞団:ニュー・アドベンチャーズ ■NHK・配信,2023.12.17-(サドラーズ・ウェルズ劇場,2022.1.21収録) ■音楽はチャイコフスキーだが物語は似て非なるものでした。 ・・主人公クララは孤児院から胡桃割人形と伴にお菓子の国へ、しかし人形はプリンセス・シュガーに取られてしまいクララは失恋、戻った彼女は再び人形と孤児院から脱出する・・。  孤児院の暗さ、氷の世界の爽快さ、そしてお菓子の国の暖かさと変化に富んだ展開は楽しい。 しかし物語も振付もマシュー・ボーンのいつもの鋭さが無い。 たぶん毒がないからでしょう。 振付も粗雑にみえる。 でも年末恒例の「くるみ割り人形」を観ると年の瀬を迎えた気分になります。 *「ブログ検索🔍」に入れる語句は、マシュー・ボーン ・・ 検索結果は6舞台 . *映画com、 https://eiga.com/movie/98657/ *🐸の Twitterへ ・・

■すみつくす

■作・演出:中村大地,出演:佐藤駿,関彩葉,辻村優子ほか,劇団:屋根裏ハイツ ■こまばアゴラ劇場,2023.12.14-25 ■どこかの家庭風景をそのまま切り取って舞台に乗せているような錯覚に陥る。 役者の動きも会話も極めてリアルです。 食事場面は特に驚きです。 芝居とは思えない。 飲み食いが普段通りにおこなわれる。 料理の匂いも客席に漂ってきます。 「静かな演劇」とは違う。 もはや日常そのものです。 「静かな日常」と言ってよい。 そして一人の男が登場すると雰囲気が変わります。 その男の台詞は少し棒読みで、演技は略ジェスチャーだけで小道具は存在しなくなる。 しかも急に葬儀場面を演じ始め、それを取り仕切る。 周りの役者も彼に従う。 この後も男が登場して死者への弔いを繰り返す。 謎めいています。 でも日常には生と死が同居している。 この不気味さも何事もなかったかのように日常に吸い込まれてしまう。 彼岸と此岸の境界を描こうとした? いや、役者と非役者の境界を描きたかったのでしょう。 役者そのものの演技に衝撃を受けたからです。 演劇の原点である境界を複数の切り口から描いた作品にみえました。 *屋根裏ハイツ第8階演劇公演 *CoRich、 https://stage.corich.jp/stage/288977

■東京ローズ

■台本・作詞:メリー・ユーン,キャラ・ボルドウィン,作曲:ウィリアム・パトリック・ハリソン,音楽:深沢桂子,演出:藤田俊太郎,出演:飯野めぐみ,シルビア・グラブ,鈴木瑛美子,原田真絢,森加織,山本咲希 ■新国立劇場・小劇場,2023.12.7-24 ■なんと!ミュージカルでした。 女優6人で全ての役を熟す一人数役です。 主人公アイバも6人が順番に担当する。 面白い方法です。 違和感が無いのは科白を歌唱に変えた為でしょう。 こぢんまりとした舞台だが、物語の流れ、歌唱・演技・演奏どれもが巧くまとまっていました。 実はアイバが戦後に米国で裁判にかけられたことは知らなかった。 舞台は国家反逆罪に問われた裁判の過程で彼女の過去が演じ語られる。 劇中劇の一種です。 太平洋戦争がもろに被さるので政治色が濃い。 しかも戦争中の日本と戦前戦後のアメリカを生き抜いた日系二世のアイバの微妙な立ち位置が揺れ動いていく。 彼女は1949年の裁判で有罪になり禁固10年を言い渡された。 戦争中の二つの国を泳ぎ切った主人公が頼もしい。 「お前はお前であることを貫き通した!」。 終幕、父はアイバを国家を超えた一人の人間として褒め称える。 29年後の1977年に彼女は特赦によりアメリカ国籍を回復しています。 *「 ゼロ・アワー 」(やなぎみわ演出)を2013年に観ていた. 今日とはまったく違う切り口の舞台でした. *「ブログ検索🔍」に入れる語句は、藤田俊太郎 ・・ 検索結果は2舞台 . *劇場、 https://www.nntt.jac.go.jp/play/tokyo-rose/

■トロイアの女 ■世界の果てからこんにちはⅠ

■演出:鈴木忠志,原作:エウリピデス,出演:藤本康宏,齊藤真紀,佐藤ジョンソンあき他,劇団:SCOT ■吉祥寺シアター,2023.12.15-23 ■「トロイアの女」は苦手です。 物語が見え難いのも一因でしょう。 黒澤明の時代劇に登場するような衣装を纏う役者の動きや言葉、その独特な様式美に目と耳が唸ります。 主人公の老婆は拳が入り過ぎて声が歪んでいたが、七輪を取り出してから言葉に生気が戻ってきた。 前半は劇画調に近づきすぎたようにみえる。 しかし日本の敗戦にも重なる終幕で悲劇が昇華できたと確信できる舞台でした。 映像「世界の果てからこんにちはⅠ」は初めて観る作品です。 SCOT作品群の各場面がコラージュされている。 そして戦中戦後に戻ったかのように天照大神、海ゆかば、楠木正成、国民健康が話題になり、軍歌?や進軍ラッパが聞こえ美空ひばりや島倉千代子が歌う。 記憶、歴史、物語にさらば! 閉塞した日本を憂慮する舞台でした。 鈴木忠志のアフタトークを聴く。 「今年はハンガリーやインドネシア演劇祭などで上演した」「(アウェーの)劇場は照明調整だけでも数日かかる」「海外はともかく国内は赤字になってしまう」「花火代も上がったが続けたい」「利賀では劇団30人でカボチャを作り草取をしてヤクザ映画を観ている」「もはやアナクロ劇団である」「すでに85歳だ。 でも来年は新作を持ってくる。 たぶんこれが最後」などなど。 一年の締めくくりとして年の瀬の吉祥寺公演は続けて欲しい。 *CoRich、 https://stage.corich.jp/stage/293995 *「ブログ検索🔍」に入れる語句は、鈴木忠志 ・・ 検索結果は26舞台 .

■デッドマン・ウォーキング

■作曲:ジェイク・ヘギー,演出:イヴォ・ヴァン・ホーヴェ,指揮:ヤニック・ネゼ=セガン,出演:ジョイス・ディドナート,ライアン・マキニー,ラトニア・ムーア他 ■東劇,2023.12.8-14(METメトロポリタン歌劇,2023.10.21収録) ■死刑囚ジョセフと修道女ヘレンの交流を描いたMET初演のオペラ。 でも舞台はもはや演劇と言ってよい。 その歌詞があまりにもリアルなため歌唱が科白として耳に届き、「刻一刻と時を止めない」演奏はその科白に共鳴吸収されてしまったからよ。 先ずは被害者になる若者の殺害場面が強烈に映し出され観客の脳裏にこびり付いてしまうの。 加害者ジョセフは無罪を主張し謝罪の言葉もない。 彼のカウンセリングを引き受けたヘレンの苦悩が続いていく。 そこで彼女の同僚ローズが「言葉ではなく身体に繋がる共感が必要」と助言する。 ジョセフとヘレンはエルヴィス・プレスリーの過去の体験を共有し心を開いていくが、薬殺による死刑の日時が迫りつつある。 さいごのその時ジョセフは罪の赦しを請い、<愛の顔>ヘレンに見送られていく・・。 キリスト教の濃い作品だが、それを越えた感動があるわね。 米国の死刑制度もみえてくる。 手続きや死刑場面がとても具体的だったからよ。 無宗教が多い日本の場合にも思いが及ぶ。 オペラとしては異色の内容だった。 ヘレンがアンゴラ刑務所へ向かうドライブ映像のユニークさ、刑務所内の抽象化された過激な光景が印象的ね。 次回の「マルコムX」も期待できそう。 *METライブブューイング2023年作品 *MET、 https://www.shochiku.co.jp/met/program/5425/ *「ブログ検索🔍」に入れる語句は、イヴォ・ヴァン・ホーヴェ ・・ 検索結果は9舞台 .

■胎内

■作:三好十郎,演出:伊藤全記,出演:山口真由,劇団:7度 ■こまばアゴラ劇場,2023.12.6-10 ■一人芝居らしい。 役者山口真由が観客に向かって演劇体操をやろうと言い出す。 客は体操をして始まるのを待ちます。 役者はなおも準備運動をしながら、場内は暗くなっていく。 ・・なんと憑依したのか!? 唸るような激しい男の声が響く。 明るくなると同じ役者と分かる。 腹の底から捩じりだしてくる声だ。 準備運動の必要が分かりました。 戦争が話題になり、ここで三好十郎の1949年作品と書いてあったのを思い出す。 若者の行き場のない生活を舞台に乗せている。 現在でも似た状況に置かれている者も多いはずです。 暗い狭い空間に閉じ込められていて、心と体の分断を恐れている。 (食うカネは欲しいが)パン助にはなりたくない。 自殺も嫌だ。 観ていてもシンドイですね。 三好十郎を料理するにはもう一手間を加える必要がありそうです。 役者は舞台上で化粧をして新たな服に何度か着替え、衣装を散らかしたり畳んだりする。 女一人芝居の定番が続くが面白くみることができました。 科白は数十分ごとに繰り返しているように聞こえた。 同じ科白群が三度(?)あったからです。 上演時間が短くなっても、これは二度迄が効くでしょう。 客席に井の頭線の電車音が聞こえてくる。 終幕に救急車のサイレンが耳に入ってきたが、これは演出か? 自殺をしてしまった? 終演後、劇場から出ると目の前に救急車が止まっていました! ・・! *CoRich、 https://stage.corich.jp/stage/288944 *「ブログ検索🔍」に入れる語句は、伊藤全記 ・・ 検索結果は3舞台 .

■能楽堂十二月「苞山伏」「葛城」

*国立能楽堂十二月普及公演の□2舞台を観る. □狂言・和泉流・苞山伏(つとやまぶし)■出演:能村晶人,炭光太郎,小笠原由祠 □能・観世流・葛城(大和舞)■出演:井上裕久,福王和幸,村瀬堤ほか ■国立能楽堂,2023.12.9 ■プレトーク「岩橋説話と女神の舞」(山中玲子)を聴く。 本日の2作品は葛城山と関わりのある山伏が登場する。 葛城山とは現在の金剛山らしい。 古事記「一言主」から清少納言や和泉式部そして今昔物語まで興味深い話が続く。 五衰や三熱、加えて役小角(えんのおづぬ)の縛り、この三重苦に喘ぐ女神の運命や如何に! そして彼女は醜顔だがこれは人間基準より神基準でみるのが妥当、きょうのシテ面も「深井」から「増」へ繋げていた。 「苞山伏」は囃子付きで楽しい。 山伏をみていると古い漫画や映画のシーンを思い出してしまった。 苞(つと)は藁などで包んだもの。 ここでは弁当を指す。 「葛城」は深々とした雪世界を描いている。 それが後場になると一変する。 雪の岩戸から登場した、蔓紅葉を纏う後シテの艶やかな姿は予想を越えていた。 そこで大和舞を舞う。 舞台の面白さが十二分に出ている。 しかも緊張感を持って観ることができた。 *劇場、 https://www.ntj.jac.go.jp/schedule/nou/2023/12134.html?lan=j

■能楽堂十二月「鳴子遣子」「遊行柳」

*国立能楽堂十二月定例公演の□2舞台を観る. □狂言・鳴子遣子(なるこやるこ)■出演:善竹忠重,善竹忠亮,大藏教義 □能・喜多流・遊行柳(ゆぎょうやなぎ)■出演:塩津哲生,宝生常三,舘田善博ほか ■国立能楽堂,2023.12.6 ■今日の2作品は西行法師が絡んでいる。 雀を田圃から追い払う竹道具の名前は鳴子か?遣子か?を言い争う「鳴子遣子」。 ここに仲裁者が入り西行の和歌(偽作らしい)を詠んで判定を導く。 なかなか笑える。 柳の精が主人公の穏やかな作品「遊行柳」は後場が「柳尽くし」の修辞に溢れている。 ここでシテの動きが微妙に揺れてきた。 体調不良か? 「・・風にただよう足もとの、弱きもよしや老木の柳、気力のうして弱々と、・・」と謡うからには演出か? どちらか?よく分からないで観ていた。 シテ面は「三光尉」から「石王尉」に替わる。 ヒトなら90歳から120歳へと一気に老いた顔に変わる。 しかも作品に太鼓が入る。 シテは太鼓に導かれて舞を舞っているようにみえる。 聴き応えのある詞章に、相反する強いリズムと弱い舞いを融合させて面白い舞台にしていた。 *劇場、 https://www.ntj.jac.go.jp/schedule/nou/2023/12133.html?lan=j

■お艶の恋

■原作:谷崎潤一郎「お艶殺し」,演出:石神夏希,出演:阿部一徳,葉山陽代,たきいみき他,劇団:SPAC ■静岡芸術劇場,2023.12.2-10 ■プレトークで演出の石神夏希が次の二点を話す。 「当作品の映画・芝居化が過去にあったが原作の良さを消していた。 今回は忠実に舞台に乗せた・・」そして「江戸時代の人々の魂が船上で芝居をしながら熱帯雨林へ旅をする設定にした・・」。 素朴派アンリ・ルソーの絵に登場するような熱帯植物が舞台を囲み、中央に小舟が置いてあり、・・語り手が派手な鳥姿・鳴声を発しながら飛んでくる。 朗読劇か? ドラマ・リーディングか? いや、ほぼ普通の芝居に近い・・? ト書きは語り手が担当するが次第に役者も加わります。 原作を読んでいないので科白に集中する。 江戸下町の風景が現前してきます。 さすが谷崎潤一郎、しかし物語はまさかの連続殺人が展開されていく。 驚きです。 エログロナンセンスに近い。 ただしエロはお艶の恋人新助がズボン役のため薄められている。 真面目一途な新助がお艶の心変わりに振り回されていく惨めな姿が哀れです。 終幕に新助の役者が替わったのには混乱しました。 でも芹沢の名前を叫ぶお艶をみれば初代新助も退場するしかない。 殺人は5件(?)もあり異様だが、愛憎とカネの行き違いからくる殺しは日常の裏深さを出現させています。 原作に忠実な舞台は上出来でしたね。 緊張感を持って楽しめました。 熱帯雨林への魂の旅は目と耳が喜びました。 江戸と離れ過ぎているところが舞台の面白さでしょう。 *劇場、 https://spac.or.jp/au2023-sp2024/otsuyakoroshi