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■ポーギーとベス

■作曲:ジョージ.ガーシュウィン,演出:ジェイムズ.ロビンソン,指揮:デイヴィット.ロバートソン,出演:エリック.オーウェンズ,エンジェル.ブルー他 ■新宿ピカデリー,2020.6.26-7.2(MET,2020.2.1収録) ■ポーギー役エリック・オーウェンズは風邪らしい。 精彩を欠いている。 これではベスも逃げてしまう。 逆にベスの恋人クラウンが張り切っているから尚更だわ。 1920年代チャールストンのコミュニティ「キャット・フィシュ・ロウ」が舞台。 でも合唱団が出づっぱりなの。 これではメリハリが無くなってしまう。 演劇で言う<青春群像劇>をそのまま<黒人群像劇>に仕立てることができたのに劇的さを呼び寄せることができなかった。 やはりコロスの立ち位置は崩せない。 オペラと演劇の違いかもね。 でも振付の良さには吸い寄せられたわよ。 「サマータイム」は前半と後半に2度ほど歌われたけど最高。 南部のどんよりした蒸し暑さを持って来てくれる。 でも舞台はそれに答えていない。 温度も湿度も南部ではなく東部だわ。 まとめるとオーウェンズの精彩不足、合唱団のメリハリ不足、そして南部のネットリ不足。 感動不足の3点かな・・。 *METライブビューイング2019シーズン作品 *MET、 https://www.shochiku.co.jp/met/program/2088/

■スモール・アイランド

■作:アンドレア.レビ,演出:ルーファス.ノリス,出演:リア.ハーベイ,エイズリング.ロフタス他 ■シネリーブル池袋,2020.6.12-18(オリヴィエ劇場,2019年収録)     ■ジャマイカがスペインからイギリス領に替わったことをこの映画で知った。 「ウィンドラッシュ世代」という言葉も、そして作品が当世代を描いていることもだ。 1940年代、故郷ジャマイカからロンドンに旅経つ教師ホーテンス、リンカンシャーの英国片田舎から逃れたいクイニー、この二人が交差する人生を描き出す。 彼らの夫たちも大戦の影響をもろに受けながら混乱の戦後ロンドンを生きていく。 音楽担当がインタビューでレゲエだけではなく弦楽器まで広げて映画のように選曲したと話していた。 そう言われると、この作品の感動は演劇というより映画的に感じられる。 人生が持つ時間的リズムが通奏低音のように鳴り響いているからだ。  ホーテンスと夫ギルバードは人種差別に耐えながらも、クイニーが産んだジャマイカ人との子供を養子に引き取る終幕は差別を超えた感動が押し寄せてくる。 そして養子として育てられたホーテンスの子供時代から始まり再び養子を引き取るストーリーに人生の輪廻的感動が加わる。 現代英国に一石を投じる作品である。 *NTLナショナル・シアター・ライヴ作品 *映画com、 https://eiga.com/movie/92340/

■怪人フー・マンチュー、不死と不死身のレクイエム

■原作:サックス.ローマー,台本:寺山修司,演出:J.A.シーザー,劇団:演劇実験室◎万有引力 ■(六行会ホール,1999.7.30-8.8収録) ■WEBで探しました。 記録映像のようです。 音声も映像も酷いですが雰囲気は伝わってきます。 20世紀初頭の上海と聞いただけで胸が躍ります。 「1895年孫文日本亡命、1896年リュミエール映画上映、1898年義和団事件、1900年孫文蜂起失敗、1904年日露戦争・・」。 背景に映し出された映画は「フー・マンチュー博士」(1929年)でしょうか? 紙芝居的活劇的歌劇的演劇ですが、万有引力の舞台は劇場で観ないと様にならない。 4ヶ月以上もコロナ無沙汰の劇場ですが、そろそろですかね。 *演劇実験室◎万有引力第25回公演 *CoRich 、 https://stage.corich.jp/stage/36965