■くじらの墓標
■作・演出:坂手洋二,劇団:燐光群 ■吉祥寺シアタ,2017.3.18-31 ■科白や役者の動きがなぜかギクシャクしています。 ストーリーもどこか途切れている。 前半は日常生活を扱っている場面が多いので特にそのようにみえますね。 みな謎を持った顔をしている。 捕鯨漁師の末裔イッカクの叔母や兄たちが登場し鯨との格闘、村の掟、海神との契約などを語り演じていきます。 そして全てがイッカクの見た長い夢だったことが終幕でわかる。 詩的で断片的な舞台は夢幻能の構造も有していたからでしょう。 歯の磨き方や耳掃除や洗面器でブクブクするなど古さの目立つ演技も25年前の作品のためかもしれない。 この二つが溶け合い荒さを持った不可思議な舞台を作り出した。 肝心な鯨とヒトの深い関係に到達できない。 鯨肉を焼いた匂いや鯨の習性などの解説が多すぎて想像力が熟成されていかなかったからです。 イッカクの婚約者チサの尼僧のような笑顔が劇中劇と舞台とを上手く繋げていました。 *CoRich、 https://stage.corich.jp/stage/81341