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■バッコスの信女ーホルスタインの雌

■作・演出:市原佐都子,音楽:額田大志,出演:川村美紀子,中川絢音,永山由里恵ほか ■神奈川芸術劇場.大スタジオ,2020.9.24-27 ■牛の生殖は人工授精のため雌と雄が一度も交じり合わない。 家畜業に携わっていた主人公の主婦の面白い経験談が続くのでついつい耳を傾けてしまう前半である。 牛から人のセックスへ脱線もする。 そこへ牛とヒトの仲介役ケンタウロスを登場させ、雌牛たちの合唱隊も加わり、性と生殖の格闘が展開される・・。 牛ばかりかヒトの性も生殖も管理されてしまっているのではないのか?と、考えさせられる場面が多い。 女の性と生殖は社会の掟に雁字搦めにされている、と暴き出すかのようにペニスのようなクリトリスを付けたケンタウロスが転げまわる。 主人公も専業主婦に納まり牡牛の射精で使う生殖器具のアイロンと同じになってしまった。 セックスは止められない。 ジワッジワッと、女の怨念のようなものが滲み出てくる舞台だ。 この雁字搦めを粉砕したい!と。 女の性を雌まで射程にいれての激しい舞台だったが、冷凍精液の雄は脇役をも転げ落ちてもっと惨めな未来が待っていそうだ。 性差を縮めることがリスクを下げる時代なのかもしれない。 *第64回岸田國士戯曲賞受賞 *劇場サイト、 https://www.kaat.jp/d/Q_theBacchae

■Lost Memory Theatre

■構成・演出:白井晃,原案・音楽:三宅純,テキスト:谷賢一,振付:森山開次,演奏:三宅純ほか,歌手:リサ・パピノー,勝沼恭子,出演:山本耕史,美波,森山開次,白井晃,江波杏子ほか ■(KAAT・ホール,2014.8収録) ■見逃してしまった一本だったの。 配信だけど今観ることができて嬉しい。 演出家白井晃、KAATでの初プロデュース公演よ。 彼得意の音楽・ダンス・演劇でまとめた力の入った作品にみえる。 ストーリーに<思い出>ではなく<記憶>を持ってくると舞台が重厚になるわね。 思い出だと感傷的になってしまう。 映像ではよく分からないけど、市松模様の白黒の床と金色のアーチ、明暗差の照明が年季の入ったダンスホールに舞台を変身させ、そこに村井純の演奏と歌、ロマンテック・チュチュを着た4人のコロスが踊り、断片化された記憶が生き返り物語として進行していく・・。 うーん、生舞台を観たかった。 記憶の中を彷徨う主人公(山本耕史)の衣装が場違いにみえたのは残念。 子供っぽさを無くすため暗いよれよれのスーツにしたほうが似合ったわよ。 そしてもう一人の主人公の女(美波)の笑いで現実に引き戻されてしまった。 昇華した笑いにした方が良いかもね。 *KAAT神奈川芸術劇場開館10周年記念企画 *劇場サイト、 https://www.kaat.jp/d/LMT_OL *劇場サイト(2014)、 https://www.kaat.jp/d/l_m_t

■Reframe THEATER EXPERIENCE with you

■ 監督:佐渡岳利,舞台演出・振付:MIKIKO,出演:西脇綾香,樫野有香,大本彩乃(Perfume) ■シネクイント,2020.9.4-18(渋谷公会堂,2019年収録) ■パフュームのメジャーデビュー15周年舞台映画です。 過去から現在までを振り返り未来を見つめるストーリーのようです。 しかし舞台背景を被う映像でパフューム3人はその中へ沈んでしまった。 その映像は幾何学模様が多くストーリーに馴染まない。 しかも3人のアップは一度も無く振付もはっきりしない。 映像と音楽だけが浮き上がってしまった。 やっと終幕3曲目から映像無しの舞台になり一息つけました。 照明は出演者を引き立てますが強い映像は脇へ追いやります。 これがモロにでてしまった、・・生舞台を観ていないので何とも言えないが。 カーテンコールで3人の挨拶がありました。 結成後20年も経っているのでもう少しマシな挨拶をしてもらいたいですね。 新しくなった渋谷公会堂は未だ行っていない。 なかなか良さそうなホールに見えました。 *映画com、 https://eiga.com/movie/93501/ *「ブログ検索」に入れる語句は、 MIKIKO