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■翼TSUBASA

■振付・出演:森山開次 ■世田谷パブリックシアター,2010.7.23-25 ■鼻高い面をつけて観客席から道草をしながら舞台へ上がる最初のシーンはとても素晴らしい。 踊りもしなやかさがあり観ていて気持ちがいい。 途中のピアノとのやり取りも面白い。トランペットがリズムを乱すのも心地良い。 猛暑の中、舞台で雪が飛び散るのはとても嬉しい。 しかし途中10分くらい眠くなってしまった。 50分くらいにまとめもっと集中すれば濃くなる舞台になると感じた。 先日の「鷹の井戸」そして本日の2回しか観ていないが起伏が滑らかなそして表面が細かく修飾された踊りをするダンサーだと見ました。 骨格を太く建ててそれを前面に押し出すような踊りを中心に加えるとより前進するかなあ。 *劇場サイト、 https://setagaya-pt.jp/theater_info/2010/07/tubasa.html

■シラノ・ド・ベルジュラック

■作:エドモン・ロスタン,演出:鈴木忠志,劇団:SCOT ■新国立劇場・中劇場,2010.7.16-18 ■歌舞伎を現代風にしたような舞台です。 セリフも少し古い言葉でしゃべるので精神を集中して観ていないと置いてきぼりをくいます。 勝手に想像しながら道草をする余裕がない芝居です。 しかし俳優の喋り方や動きの流れにうまくはまり込むと芝居の感動・面白さが見えてきます。 演後パンフレットを読むとストーリはシラノの幻想であり、シラノという人物も別人という設定だと知りました。 しかしこのような複雑さは観ている時には意識していなかつたし面白さには影響がないように思えます。 ところで手紙=書き言葉にシビレてしまう女性はいつの時代にもいますよね。 *劇団サイト、 http://www.scot-suzukicompany.com/works/04/

■エネミイ

■作:蓬菜竜太,演出:鈴木裕美,出演:高橋一生,高橋由美子,梅沢昌代ほか ■新国立劇場・小劇場,2010.7.1-18 ■全共闘活動家2名が40年ぶりに訪れた大学時代の同志とその家族を巻き込んでいく話である。 職業について考えてしまった。 リストラ推進の仕事をしていた父の性格・人生観が職業で変化するなど普通には考えられない。 コンビニの交代勤務計画作成もそうだ。 またゲームプログラム作成工程も警察官の行動も疑問だ。  このような労働内容はイレギュラーとしてはあり得るが現実とは大きくズレている。 企業組織とそのコミュニケーション下で働く姿が見えてこない。 活動家に父の仕事内容を息子に向かって否定的に言わせているがこれでは活動家もたまったものではない。 しかも<職業>としての活動家は家庭を持ち現実的に生活しているものが多い。 想像力を膨らますのはよいがあらぬ方向に膨らましすぎている。 母のセリフ「何が問題なの?」は方向が見えなくなったこの芝居に対する批判だ。 エネミイは仕事=職業の中にある(?)とこの芝居は言っている(?)が、これではエネミイは見つからない。 *劇場サイト、 https://www.nntt.jac.go.jp/play/20000210_play.html

■羯諦羯諦

■出演:真言聲明の会,音楽:高田みどり,構成:鈴木忠志 ■新国立劇場・中劇場,2010.7.2-3 ■高野山聲明は初めてである。 馴染みの曲では般若心経のみであった。 高田みどりが打楽器を舞台にならべ好きなようにたたいたり、鈴木忠志の車椅子が登場するが、実際の聲明を演ずる環境がどのようなものなのかまったくわからない。 葬儀を思い出してしまった。 音楽はもっとリズムのあるほうが合いそうだ、聲明だけを聞いた方が面白そうだ、謡曲のほうがもっと心地良いが、能を観に行ったほうがよかったかな・・、と観終わってからおもった。 *(SPACサイト)、 http://www.spac.or.jp/09_spring/suzuki.html

■ザ・キャラクター

■演出:野田秀樹,出演:宮沢りえ,古田新太ほか ■東京芸術劇場・中ホール,2010.6.20-8.8 ■時空を駆け巡る速さ、そして俳優の動きや台詞の妙味にいつもの良さが出ていた。 カミは抽象すぎる言葉だ。 旧作品の具体性のあるキルと比較してしまった。 書き言葉は芝居に合わない。 書道は苦肉の策か? 文字を観客に見せる芝居は好かない。 ここは井上ひさしの芝居と比較してしまった。 新興宗教も報道カメラやテレビも古すぎる。 まとまりの無い芝居だったがこれは次への実験劇か? しかし美術・映像・振付はとても良かった。 帰りにプログラムを買ったが椎名林檎の替わりに黒田育世の振付記事などを載せるのが相応だろ。 *劇団サイト、 https://www.nodamap.com/site/play/37