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■ペンギン・カフェ2013

■ 監督:D・ビントレ,指揮:P・マーフィ,出演:新国立劇場バレエ団 ■ 新国立劇場・オペラ劇場,2013.4.28-5.4 ■ 3作品を上演。 最初の「シンフォニー・イン・C」は正にバランシンね。 音楽は舞台と一体感があったけど、ビゼーとはちょっと相性が良くないかも。 4楽章はマスゲームのようで楽しかった。 次2作はビントレー振付。 「E= MC ^2」はまるで原子と電子が動きまわるようでとても変わっているわ。 背景は原爆の雲が立ち上っているようにみえる。 着物と扇は日本を表現しているのかしら? 「ペンギン・カフェ」は仮面が邪魔なのか動きが単純で雑すぎる。 ストーリーもぎくしゃくしているし、期待ハズレだった。 ビントレの振付は核や自然へのメッセージを込めているようだけど、その分何かを失ってしまった舞台にみえる。 それは意味を読み考えてしまうから。 そのとき共鳴していた観客の身体が逃げてしまうからよ。 彼の多様な広がりには期待しているけど中途半端にならないでね。 *NNTTバレエ2012シーズン作品 *作品サイト、 http://www.atre.jp/13penguin/

■MY FAVORITE PHANTOM

■ 原作:W・シェイクスピア, 演出:橋本清,音楽:涌井智仁,出演:ブルーノプロデュース ■ 吉祥寺シアタ,2013.4.26-29 ■ なんと「ハムレット」を分解・再構成した内容でした。 通路や二階は通りのように役者が行き来します。 雑音が混じる音楽を全身に受けるので、街なかで芝居に出会った感じに陥ります。 学生仲間が駄弁っているような演じ方をしますから尚更です。 過去に観た「ハムレット」を記憶に戻し想像を膨らませながら観ても舞台の邪魔にはなりません。 更に言うと自身の記憶にあるハムレットを付加して舞台が出来上がるのです。 街の雑踏の中で「ハムレット」を一瞬思い出した。 そして再び記憶の底に沈んでいった。 そんな観後感のある芝居でした。 ところで舞台で雪を降らせるのは余分ですね。 美的感覚への拘りが過ぎたようです。 照明も自然で深みがありました。 これだけで観客の想像力は羽ばたきます。 *劇場サイト、 http://www.musashino-culture.or.jp/k_theatre/eventinfo/2013/01/phantom.html

■効率学のススメ

■ 作:アラン・ハリス,演出:ジョン・E・マグラ ■ 新国立劇場・小劇場,2013.4.9-4.28 ■ 企業に勤めていると二度三度は経験します。 業務改善、コンピュータ化、業務パッケージソフト導入などなどをです。 ですから舞台映像の改善シートの文章をマジマジと眺めてしまいました。 劇場まで来て業務改善の話ですから逃げられませんね。 この小劇場で流行りの、周辺が観客席で近未来の部屋が舞台構成です。 そして役者の動きが微妙に早くて、硬さのある喋り方のため全体が無機質に感じます。 あまり出会ったことのない動きと感覚です。 意味の薄い部分の映像は舞台への集中を妨げたのではないでしょうか? この文章を書くため新国立劇場HPの作者と演出家のビデオをみました。 そこではどのような芝居を日本で上演すればよいのか?迷っていた形跡がみえます。 「つながる演劇」の一つの為、無理やり繋げようとしている感じもしました。 *チラシ、 http://nnttplay.info/with3/kouritsu/shr/pdf/leaflet.pdf

■レミング-世界の涯まで連れてって-

■ 作:寺山修司, 台本:松本雄吉,天野天街, 演出:松本雄吉 ■ パルコ劇場,2013.4.21-5.16 ■ これは維新派+少年王者舘のレミングである。 寺山修司の世界は博物館の陳列ケースに閉じ込められてしまった。 寺山はもはや歴史なのか? 寺山の科白は昔からギクシャクしている。 これを異化効果が出る迄高める必要がある。 しかし舞台がサッパリし過ぎていて高まらない。 しかも規則性のある動きの為、戦後の匂いが残る異様な風景が現前できず貧弱な再現で留まっている。 このような背景では言葉と身体の融合ができない。 ましてやあの暗闇が迫ってこない。 物理学で言うとベクトルではなくスカラーで表現したような舞台である。 寺山修司の世界はベクトルで表現しないと掴み切れない。 力と方向性を併せ持たなければ現状世界を打ち破ることができない。 残念ながら世界の果てに連れて行ってもらえなかった。 *CoRich、 https://stage.corich.jp/stage/42898

■蜘蛛の拍子舞  ■身替座禅

■ 東劇,2013.3.16-5.10(歌舞伎座,2009.10及び2009.12収録) ■■蜘蛛の拍子舞 ■ 出演:坂東玉三郎,尾上松緑,尾上菊之助,坂東三津五郎 ■ 刀鍛冶拍子舞は江戸時代のコンテンポラリダンスでしょう。 妻菊・源頼光・渡辺綱のそれぞれの違いが踊りや歌でシンクロナイズしていく面白さがあります。 そして全体の構成は今で言うなら歌と踊りのTVバラエティ番組ですね。 サービス満点の舞踊劇でした。 ■ 身替座禅 ■ 作:岡村柿紅、出演:中村勘三郎、坂東三津五郎、市川染五郎 ■ 題材は「花子」ですから舞台は正に狂言の拡張版です。 玉の井の三津五郎は女房の凄みが出ていました。 観ていて男優だけという歌舞伎のグロテスクさが襲って来ました。 これは一瞬ですが勘三郎のナマの性格がそのまま舞台に登ってしまう為だとおもいます。 これが伝播し周囲にいる女性役、奥方や侍女が舞台から離れて男優として意識されてしまうのです。 ともあれ今回は歌舞伎の新たな楽しさを広げるニ作品でした。 *シネマ歌舞伎第11弾作品 *作品サイト、 http://www.shochiku.co.jp/cinemakabuki/lineup/12/#sakuhin

■怪談牡丹燈籠

■ 演出:戌井市郎,出演:片岡仁左衛門,坂東玉三郎,中村錦之助,上村吉弥,片岡愛之助,中村七之助,坂東三津五 ■ 東劇,2013.3.16-5.10(歌舞伎座,2007.10収録) ■ 新三郎とお露、源次郎とお国、半蔵と小峰の3つのペアが出来事を結び合わせながら展開していくところが芝居の面白さで す。 初めは幽霊が登場しますが、人を殺した罪の意識の想念が幽霊の為か後半は登場しません。 そして殺人は新三郎を除きすべて衝動的です。 このため無意識に近い後悔の念が舞台に積もっていき物語に深みを増します。 それでも殺人が止まらない。 罪を背負ってでも人が生きていこうとするどうしようもないところが表れています。 というか作品の持つ凄さで す。 と ころで二幕の半蔵と小峰の夫婦喧嘩は突っ込みがあり面白かったですね。 コクのあるコーヒーを飲んだ気分でした。 *シネマ歌舞伎第9弾作品 *作品サイト、 http://www.shochiku.co.jp/cinemakabuki/lineup/10/#sakuhin

■人情噺 文七元結 にんじょうばなし ぶんしちもっとい

■ 監督:山田洋次,出演:中村勘三郎,中村扇雀,中村勘太郎,中村芝翫 ■ 東劇,2013.3.16-5.10(新橋演舞場,2007.10収録) ■ 贈与論を歌舞伎で展開したような内容です。 なけなしの50両を長兵衛は勘太郎に渡してしまう。 終幕には返礼として清兵衛がお久を身請けし、贈与の一形態である結婚の話もでます。 また格差社会を論じている芝居のようにもみえます。 長兵衛の住まいや衣装は格段に酷いですね。 しかし階層間のコミュニケーションが活発なら格差社会を乗り越えることができるとこの舞台は言っています。 現代では考えられないストーリーです。 階層間の柔軟な関係が成立し難くなっているからです。 でも長兵衛の身体に染み付いているコミュニケーションが贈与と融合して世界をこじ開けたのです。 この行為を受け入れ、返礼する社会を背景に持っていることも必要条件です。 舞台の話といえばそれまでですが、寅さんの山田洋次が監督なら納得です。 *シネマ歌舞伎第6弾作品 *作品サイト、 http://www.shochiku.co.jp/cinemakabuki/lineup/06/#sakuhin

■女殺油地獄

■ 作:近松門左衛門,出演:片岡仁左衛門,片岡孝太郎,片岡千之助,中村梅玉 ■ 東劇,2013.3.16-5.10(歌舞伎座,2009.6収録) ■ 聞いてはいましたが「豊島屋油店」の殺人場面はやはり凄い! 髪の乱れ・帯の解け・刀を強く握りしめてヒキツル指・カクカクする膝、お吉と一緒にスッテンコロリン。 カネを懐に入れて与兵衛が退場する場面で幕が降りました。 中途半端です。 調べたら「同逮夜」が続きにありました。 余韻を強めるため捨てたのですかね? 「徳庵寺堤 」「河内屋内」 では何を言っているのかわからない箇所がありました。 近松のリズムに乗れなかった感がします。 原作は読んでいませんが、これも声を出して読む作品のようです。 髪の乱れを気にする神経質な与兵衛の片岡仁左衛門はまさに適役でした。 *シネマ歌舞伎第13弾作品 *作品サイト、 http://www.shochiku.co.jp/cinemakabuki/lineup/14/#sakuhin

■フランチェスカ・ダ・リミニ

■作曲:R・サンドナーイ, 指揮:M・アルミリアート,演出:P・ファッジョーニ,出演:E=M・ヴェストブルック,M・ジョルダーニ ■ 新宿ピカデリー,2013.4.13-19 ■ 音楽も歌唱も煌めく感じがして独特な雰囲気が有るわね。 情緒的描写が強いけどコクがない。 ヴェストブルックが印象派と表現していたけれどこのコクの無さを言ったのではないのかしら? 印象主義でもなければヴェリズモ・オペラでもないはず。 ところでフランチェスカはベアトリーチェ、パオロはダンテ自身なの? 物語を追っているとそのように見えてしまうわ。 一幕は高音域も多く面白い舞台だった。 少女漫画をそのまま成長させたような舞台のよう。 しかし二幕は戦場、三幕は牢屋と風景が飛びすぎる。 そして舞台装置を凝った割りには効果が出ていない。 27年前の装置を使ったからこうなったのね。 ザンドナーイも終幕に行くほど平凡になっていくし、ジョヴァンニの醜さや復讐も時代遅れの感がある。 これで盛り上がらない。 でも上演の少ない作品を観るといろいろ考えてしまうから後の楽しさが長続きするわね。 *METライブビューイング2012作品 *作品サイト、 http://www.shochiku.co.jp/met/program/s/2012-13/#program_11

■ふるあめりかに袖はぬらさじ

■ 作:有吉佐和子,演出:戌井市郎,出演:坂東玉三郎,中村七之助,中村獅童,中村勘三郎 ■ 東劇,2013.3.16-5.10(歌舞伎座,2007.10収録) ■ 芸者お園(玉三郎)は物語から外れるような喋り方をしているので不思議でした。 これは喜劇調を取り入れる為だと途中でわかりました。 この種の喜劇は表面を滑るような笑いが必要ですね。 悲しみも活きてきます。 まさに藤山寛美の世界です。 今後は玉三郎も東の藤山寛美を目指したらどうでしょうか? 目玉の飛び具合も似ていますし。 事実は修飾され歴史になるというのが芝居のテーマのようです。 そして修飾部分が笑いで肉付けされています。 これで事実と虚構が混乱し物語が深まりましたね。 四幕のお園が攘夷派の武士に殺されそうになる場面は緊張感がでていて舞台を引き締めていました。 *シネマ歌舞伎第5弾作品 *作品サイト、 http://www.shochiku.co.jp/cinemakabuki/lineup/05/#sakuhin

■カルメン

■ 指揮:P・ジョルダン,演出:Y・ボーネン,出演:A・C・アントナッチ,N・シューコフ,パリ・オペラ 座 ■ みゆき座,2013.4.12-25 ■ 古いフランス映画を観ているようだわ。 黄土色の軍服や雰囲気はもはやアフリカ戦線だし、貨物車両の酒場も同じ時代ね。 そしてこんなにも多くの子供たちが登場するなんて! でもこれらのイメージは原作に近いかもしれない。 カルメンの声は弱々しい感じがした。 動きも良くない。 パワーが無いのよ。 肺活量も大きくしなきゃ。 ドン・ホセはオペラの匂いがまったくしない。 演出家が写実的にしたいと言ってたけどドン・ホセは近所のオジサンのようで状況にピッタリね。 でも二人の愛は最初からすれ違っていたようにみえる。 オペラ・コミックなのにセリフに深みが無かったのも一因かな。 四幕は大道芸人も登場して面白かったわ。 古びた教会や工場の背景もリアルさがあってカルメンの死に似合っていた。 終幕でオペラ座の面目を保ったという感じね。 去年観たMETのカルメンと比較するとオペラ座には何かホッとするものがある。 METはテクニカルの塊だからね。

■わが心の歌舞伎座

■ 監督: 十河壯吉 ■ 東劇,2013.3.16-5.10 ■ 花道下や着板番・楽屋の床の間・通路・勝手・・を見ていると歌舞伎座が素晴らしい建物にはみえません。 しかし歌舞伎俳優はこの建物の全てを身体に染み込ませて初めて舞台で演じることができる、この映画はそう言っているようです。 片岡仁左衛門の楽屋敷居の磨り減り具合や、柱に付けた子供の身長の印の話も同じです。 何人かの役者がロビーに茣蓙を敷いて稽古をした思い出を話していました。 劇場ロビーの隅々までが記憶していたから練習の成果が出たはずです。 「・・玄関をほんの少し後ろに下げた・・、入口の石段も無くした・・、ロビーの長椅子が無くなった・・、・・・、」と上村以和於はブログに新歌舞伎座の違和感を書いています。 観客でさえこれですから役者の違和感は相当でしょう。 そして役者たちは再び、数十年をかけてこの新しくなった建物をゼロから身体に馴染ませていくのですね。 *シネマ歌舞伎作品 *作品サイト、 http://www.shochiku.co.jp/cinemakabuki/lineup/28/#sakuhin

■眠れる森の美女

■ 指揮:B・クルージン,演出:M・メイソン,出演:L・カスバートン,S・ポルーニン,C・カルバート,ロイヤル・バレエ団 ■ワーナーマイカルシネマズ,2013.4.10 ■ パーフェクト・さすがぁ・納得ぅ、な舞台だった。 強いて言えばアッというような驚きがない。 「1946年から基本を変えていない」とインタビューで言っていたけど、歴史に洗練されてきた感じね。 安定感抜群の舞台だわ。 しかも王や姫と魔女の間にリラの精が緩衝役として入るから安心感もでている。 ターナー風のイタリア的背景や衣装も素敵。 このような舞台を観ることが最高の人生と言えるかも。 ところでカスバートンのハラハラドキドキする場面が何度かあったけど、これは彼女の笑顔がいけないの。 少しばかり不安の表情が含まれていたから。 もっと自信のある笑顔を研究してネ。

■パルシファル

■作曲:R・ワーグナー, 指揮:D・ガッティ,演出:F・ジラール,出演:J・カウフマン,R・パーペ,K・ダライマン ■ 新宿ピカデリ,2013.4.6-12(MET,2013.3.2収録) ■ 指輪が終わってもまだ彷徨っているのね、ワーグナーは。 「われわれはどこから来たのか?どこへ行くのか?そして自分は誰なのか?」。 科白は言葉を噛みしめ意味を絞りだすから画面に釘付け。 しかも聖槍や聖杯そして救済の話でより宗教的複雑さを増していくの。 ワーグナーの中心へ落ちていく感じだわ。 R・ルパージュもF・ジラールもどちらもケベック出身。 でもこの作品を観てルパージュの指輪がフランス的に見えてしまった。  舞台美術も音楽・歌唱と同期していてとても重たい。 特に2幕の愛と性、母の誘惑でベッドや衣装を血で染めるのは凄すぎる。 ワーグナーを観ると精神も肉体も昇華してしまうわね。 *METライブビューイング2012年作品 *主催者サイト、 http://www.shochiku.co.jp/met/program/s/2012-13/#program_10

■熊谷陣屋

■ 作:並木宗輔,出演:中村吉右衛門・中村梅玉,仲村魁春,中村富十郎,坂田藤十郎 ■ 東劇,2013.3.16-5.10(歌舞伎座,2010.4収録) ■ 直実と聞けば「敦盛」です。 これも期待しましたが能を観た時のようなインパクトはありません。 原因は詰め込み過ぎです。 相模と藤の方の両母の出突っ張りで既に身動きが取れません。 頼朝と清盛の家来景高と宗清、直実の大将義経も登場します。 この窮屈な舞台で直実は全力を出し切っているのがわかります。 多分全力性は型からくるものです。 型が身体に染み込んでいる観客にはこの作品の面白さが分かるのでしょう。 しかし身動きはできないはずです。 *シネマ歌舞伎第14弾作品 *作品サイト、 http://www.shochiku.co.jp/cinemakabuki/lineup/16/#sakuhin

■知恵と希望と極悪キノコ

■ 作・演出:大浜直樹、出演:LIVES ■ シアタートラム、2013.4.4-7 ■ http://setagaya-pt.jp/cgi/posterWindow.cgi?imgPath=fly_t_130404_lives_rl_pm_poster_3.jpg ■ 「映画撮影現場を舞台にしたシチュエーションコメディで日陰に生育している「なにか」が、知識教養でない「なにか」を持って、「なにか」の実現を願い望む、小さな「希望」の物語」とチラシに書いてある。 売れない俳優たちの共生の物語のようだ。 再演のためか細かい場面も丁寧に作られている。 長ったらしいタイトルだが「希望」のみえる結末である。 素直な舞台で観後はスガスガしさを感じた。 ハートフルコメディと言ってもよい。

■日高川入相花王  ■鷺娘

■ 東劇,2013.3.16-5.10(歌舞伎座,2005.10及び2005.5収録) ■ 出演:坂東玉三郎,坂東薪車,尾上菊之助 ■ 義太夫狂言だが驚きの連続です。 清姫の坂東玉三郎はわかるが、船頭は人なのか人形なのか? 手は人、足は人形と分かったがそれ以外は見分けがつきませんでした。 人形遣いは黒子も含め動きが巧い。 人と人形が意識上交互に立ち上がるのがとても不思議な感じですね。 大蛇となって川を泳ぐところ、背景が一瞬で桜満開になる場面も素晴らしい。 しかし太夫の声がかすれ過ぎて耳に障ったのは残念です。 ■ 鷺娘 ■ 出演:坂東玉三郎 ■ 観ていて笠井叡の「花粉革命」を思い出してしまいました。 どこか似ているからです。 それは少しづつ狂乱に向かうところ、衣装替えが有るところ、時々聞こえる梵鐘の音などなど。 笠井は衣装替えではなく衣装を捨てていき最後に一度だけ着替えるのですが。 玉三郎は脂が乗り過ぎている感がしました。 でも色気のある豊かさに繋がっています。 *シネマ歌舞伎第2弾作品 *シネマ歌舞伎、 http://www.shochiku.co.jp/cinemakabuki/lineup/02/#sakuhin

■らくだ  ■連獅子

■ 東銀座・東劇,2013.3.16-5.10(歌舞伎座,2008.6及び新橋演舞場,2007.10収録) ■らくだ ■ 作:岡鬼太郎,演出:榎木滋民,出演:中村勘三郎,坂東三津五郎 ■ 死人と遊び続ける内容とは凄い。 しかも観客は面白おかしくて笑ってしまう。 「あまりにも恐ろしくて笑ってしまった」は久六の科白です。 でも死の恐ろしさを通り越した後の笑いでしょうか? 「 法界坊 」 もそうでしたが、死が身近すぎるのはいつものことです。 今回は死よりも死体を重視しているところが落語から来ている軽さかもしれません。 ■ 連獅子 ■ 作:河竹黙阿弥,監督:山田洋次,出演:中村勘三郎,中村勘太郎,中村七之助 ■ 親獅子は少し太りすぎですが、仔獅子のスカッとした踊りは素晴らしい。 狂言師や僧の場面も流れを面白くしています。 一気に観てしまいました。 清涼感も残ります。 山田洋次の編集力の上手さもあります。 *シネマ歌舞伎第7弾作品 *作品サイト、 http://www.shochiku.co.jp/cinemakabuki/lineup/07/#sakuhin