2012年12月31日月曜日

■2012年舞台ベスト10

  演出:黒澤世莉,劇団:時間堂
  演出:J・A・シーザー,劇団:演劇実験室◎万有引力
  演出:広田淳一,劇団:ひょっとこ乱舞
  演出:中村匡克,劇団:スポンジ
  演出:小池博史,劇団:パパ・タラフマラ
  演出:松井周,劇団:サンプル
  演出:三谷智子,劇団:文月堂
  演出:小川絵梨子,劇団:イキウメ
  演出:土田英生,劇団:MONO他
蜜室
  演出:遠田誠,出演:向雲太郎,まことクラブ
  演出:アラン.プラテル,出演:LES BALLETS C DE LA B
  演出:鈴木忠志,劇団:SCOT

*並びは上演日順。 選出範囲はこのブログに書かれた作品から。 映画(映像)は除く。 今年は2作品がオマケ。

2012年12月30日日曜日

■チェインソング

作・演出:三谷智子,出演:文月堂
下北沢・駅前劇場,2012.12.26-30
高校生活の話をしだすとキリがない。 大学受験、運動部と文化部、恋愛、番長や他高校の喧嘩、先生や校長教頭、そしてPTAの存在。 だからこの作品も2時間の長さになってしまった。 既に過去となってしまった高校生活を正義で塗り込め理想化している。 質の良い漫画である。 だから観ていて面白いし元気が出る。 年末用バーゲン作品である。
隣の劇場でスポンジの「埋める日」を上演していたので、これが終わったら観ようかとしたが既に始まってしまっていた。 今年は文月堂が締めとなった。

2012年12月29日土曜日

■初雪の味・鎌倉編

作・演出:吉田小夏,出演:青☆組(*1)
こまばアゴラ劇場,2012.12.28-13.1.6
時間の進み方が斑模様で不思議さの有る舞台でした。 兄弟たちが集まるのに静かな大晦日ですね。 テレビやトランプ・麻雀を出せないのが芝居の辛いところですか。 でも兄弟数や母と弟の関係をみると一世代古い時代にみえます。
長男恋人の年賀状を長女と母が弄ぶ場面があります。 このような母の態度が理解できません。 次男の恋人である看護婦が別人と結婚するのを聞いて彼は泣いてしまいます。 この場面で特に女性客からの笑い声で盛り上がりました。 なぜ笑うのか理解できません。
この芝居では新しく生きることがすべて葬られていくようにみえます。 死や思い出が強すぎて再生できないのです。 さいごに典子の弟が指で歩く姿をして前に進む意志を示します。 弱い幕引きです。

■ポリグラフ嘘発見器

演出:吹越満,出演:森山開次,太田緑,吹越満
東京芸能術劇場·シアターイースト,2012.12.12-28
まるで散文詩をみているような舞台ね。 句読点のある場面切替、しかも科白が棒読みだったからよ。 そして映像は古典的すぎるけどコクが有るので、淡白な科白や身体の動きにうまく混ざり合って独特な詩的舞台が表現できていた。
でも三人の役者はまるで素人のようだし要はリアルさがまったくないの。 ここが面白いところかもね。 物語の流れもよくわからなかった。 一種のパフォーマンス劇だわ。 しかもダムタイプ系とは逆張りのね。
ルーシとフランソワの身体は対照的だったけどでどちらも存在感があって素敵だった。 ところで観劇前に近くのマックで味を変えてからのコーヒを初めて飲んだの。 酸味が薄れてまろやかになった感じ。 飲みやすくなったわ。 外で飲むにはいいかもね。

2012年12月27日木曜日

■SOLO FOR 2  ■中国の不思議な役人

振付:金森穣,出演:NOISM1
■KAAT,2012.12.25-26
NOISMの舞台は人形や黒子、歌謡曲などは思い出すが振付の記憶が薄い。 この舞台で初めて振付を観たという感じである。 日常性の一つ一つを拾い上げているような振付表現である。 どこかでみたような細かな動きをかき集めて、複雑で見えない日常を浮かび上がらせている。 だから豊かさは有るが非日常性から来る目眩のような感動は無い。
ヴァイオリンが重く聞こえる。 これは動きの速さが間の省略を発生させ音楽より軽くなってしまったからである。 もっと動きを深くできれば燻銀のような深日常性を表現できたとおもう。
中国の不思議な役人
振付:金森穣,出演:NOISM1&2
机やシャンデリア、背景美術そして照明、どれも無駄が無い。 しかしこの作品にはシンプル過ぎる。 物語を付加していつもの演劇的な舞台に戻っている。 この劇団はいろいろな分野を統合した総合力で勝負したほうが似合うかもしれない。
*劇場サイト、http://www.kaat.jp/d/noism

2012年12月23日日曜日

■シンデレラからサド侯爵夫人へ

演出:鈴木忠志,劇団:SCOT
吉祥寺シアター,2012.12.8-24
劇中劇とは嬉しいわね。 「監督」が登場して芝居を作り上げていくのを芝居にしているの。 舞台を作ったり壊したり、音楽や照明担当そして客人まで登場するから賑やかになって楽しかったわ。 つまり集中力が必要なSCOTの芝居を、劇中劇が緩衝材として集中から分散へ働いて舞台が軽やかになったということね。 だから前半のシンデレラは重たさと軽さが見事に調和していたわ。 今までとは違って一皮むけた感じね。
後半のサド侯爵夫人では「監督」がでしゃばらなくなった。 だから客席も緊張の一色ね。 しかも2時間半は長過ぎる。 でも上手の衣装係の役者の微動がとてもよかった。 舞台が固まりすぎていたから。 音響担当や助手もこの自然な動作が背景にあればサドはもっと観易くなったはずよ。

■ハーベスト

■作:リチャード.ビーン,翻訳:平川大作,小田島恒志,演出:森新太郎,出演:渡辺徹,佐藤アツヒロ他
世田谷パブリックシアター,2012.12.11-24
この100年の家族史を描く芝居や映画を観る時にはある感慨が押し寄せてくる。 それは自身を含め両親や祖父母の生きた時代を振り返るからである。 この芝居もそれに該当する。 養豚業を経営する家族史は初めてだ。 興味を持って観てしまった。
しかし時代分割が多過ぎて皆が機械的に歳を取ってしまっただけにみえる。 現実の世界としての養豚業の話しを取り入れたため他のなにものかを捨ててしまったからだ。 結果、人間関係を熟成させることができなかった。 しかも終幕に強盗や宝籤の話で芝居の全体をぶち壊してしまった。 強盗の一人を撃ち殺しもう一人を養豚業の跡継ぎにする場面は別の芝居かと勘違いしたくらいストーリーに落差がある。 宝籤もそうだが現実が未消化のまま入り乱れていて戸惑う舞台だった。

2012年12月22日土曜日

■眠れる森の美女

振付:M・プティバ、出演:アーラ・シゾーワ、キーロフバレエ
東京都写真美術館、2012.12.8-2013.2.28
チラシに「キーロフ・バレエの総力を結集した」とあったけど、そのとおりの内容ね。 シゾーワを筆頭にダンサーたちは若々しさがあって、しかも切れ味が良い。 舞台装置は下手なリアリズムで演出は夢の世界のようでちょっと古くさい感じがしたけど、50年前の作品だからしょうがない。 ダンスが上手いと観た後も心が踊っていて帰りの道がいつもと違ってみえる。

■宇宙みそ汁  ■無秩序の小さな水のコメディー

作:清中愛子,演出:坂手洋二,出演:燐光群
梅ヶ丘BOX,2012.12.5-9
詩のようなセリフを文単位で複数の役者が喋っていくリズムある舞台です。 しかも横浜子安あたりの安アパート住人たちの日常生活が語られていて十分なリアルさがあります。 生活の描写が見事です。 でも一つ転げ落ちれば困窮生活です。 そして沖縄出身の住人が帰ってしまった些細な出来事で終わります。 生活から生まれた詩だから幕が降りてもこの些細な出来事が続いていくのがみえるようです。
無秩序の小さな水のコメディ
作・演出:坂手洋二,出演:燐光群
短編ですが鯨の話と利き水の話です。 どちらもコジンマリとまとまっています。 今回はみそ汁との二本立てでしたがチョット外れた梅ヶ丘らしい「梅ヶ丘BOX20周年記念」の作品でした。 二駅先の下北はずっと騒がしいですからね。

■白鳥の湖  ■ヌレエフ・ I AM A DANCER

■白鳥の湖
振付:R・ヌレエフ,出演:M・フォンテーン,R・ヌレエフ,ウィーン国立歌劇場バレエ団
東京都写真美術館,2012.12.8-2013.2.28
■10月のロイヤル・バレエ(2012年)は東方志向がとても強かった。 でもこの作品はまさにロシアね。 帝政ロシアの軍服やロシア平原の民族衣装は故郷の匂いがする。 だからヌレエフが空を見上げた時、「鶴は飛んでいく」を思い出してしまったの。 でもフォンテーンは彼女らしい踊りをしていなかった。 少し固さがあった。 それに釣られてヌレエフもそう。 残念ね。 でもカメラの動きは良かったわ。 顔や上半身のアップは休止の時だけだし、踊りの場面は人物全体舞台全体を撮っていたからよ。
■ヌレエフ・I AM A DANCER
監督:P・ジョルダン,出演:C・フラッチ,D・バーグスマ,M・フォンテーン,L・シーモア
ヌレエフの全体を簡明直裁にまとめいているの。 「ダンスは血の結晶である」。 ヌレエフの言葉よ。 彼は完全主義者なのよ。  鋼鉄の仕上がりは限界迄行く練習の賜物ね。 共演のプリマ4人は皆違った魅力があって素敵。 特に「椿姫」のフォンテーンとの共演は「白鳥の湖」とは比べ物にならないくらい素晴らしかったわ。

2012年12月21日金曜日

■明るい部屋

演出:高谷史郎
新国立劇場・小劇場,2012.12.7-9
北欧調の椅子やフロアライトが床にそして天井には大きなスクリーンのある無機質が漂う舞台です。 そして雑音のような映像と音楽、映像は世界の雲の動きや植物の枯葉、飛ぶような光の筋や数字の羅列が表示される。 役者たちはアナウンサーの真似事や傾いた机と椅子で本との戯れ日常生活の写真の説明場面だけが具体的な動きです。 この役者の単純な動作を見ながら音楽と映像に浸っていると恍惚感に入ることができる。 しかしこの恍惚も達成感がありません。 照明も悪くはありません。 この「・・・ありません」という半ば否定が舞台の特徴です。 R・バルトの同名作品は写真が与える存在を論じていたと記憶していました。 たぶん舞台との繋がりは半ば「ありません」。
*NNTTダンス2012シーズン作品

■くるみ割り人形

振付:P・ライト,出演:R・マルケス,S・マックレー
■ワーナーマイカル系,2012.12.14(ROH,2012.12収録)
中継のため10分遅れの開始で30分遅れの終了。 毎年恒例のとても年季が入っている舞台ね。 ある衣装は30年も使い続けていると聞いて感心。 クリスマスツリーも当初は2メートルが今では十数メートルの高さになっているの。 舞台の流れはクリスマスプレゼントを一つ一つ開ける時のような驚きと楽しさがあるわ。 これを観ないと年が越せないと言うことね。 クララと王子は初々さがあり適役よ。 プリンシパルの踊りも最高のプレゼントね。
*英国ロイヤル・オペラ・ハウス2012シネマシーズン作品

■TOPDOG/UNDERDOG

作:スーザン=ロリ・パークス,演出:小川絵梨子,出演:シス・カンパニー
■シアタートラム,2012.11.30-12.28
兄リンカーンが警備職を得た場面で、なぜ急にブースが兄を激しく妬み出したのか? そして母からもらった大事な金というだけで兄を殺してしまうのか? ブースの心が読めない。 リンカーンは暗殺されるから? 非連続の流れだ。 また彼は恋人グレースと本当に付き合っているのか? 疑問を持ってしまった。 彼がストッキングから金を取り出して高笑いしながら幕が下りるのも異様だ。
ブースの行動が読めない緊張感があったが劇の面白さとしては意見が分かれるのでは? カードゲームの話、両親や恋人のセックスの話がリズミカルに撒き散らされていて興味が尽きない。 特に遊園地のリンカーン暗殺の仕事話は驚きだ。
これでブースの心の流れと一瞬でも同期ができたら、久しぶりにアメリカ演劇万歳!をしただろう。
*チラシ、http://setagaya-pt.jp/theater_info/upload/file/sistopdogunderdogl_pm_pdf_dl_file.pdf

2012年12月20日木曜日

■草刈民代・最後のジゼル  ■アンナ・カレーニナ

□草刈民代・最後のジゼル
監督:周防正行,出演:草刈民代、レーニングラード国立バレエ団
東京都写真美術館,2012.12.8-2013.2.28(神奈川県民ホール,2009.1.31収録)
余裕を持って踊っているけど、重たい感じは否めない。 まさに記念映画ね。 題名からいくと大きな編集をしているようにみえるけどほぼ舞台そのままよ。 二人にとってあまり手を加えたくなかったのね。
*2012年作作品
□アンナ・カレーニナ
振付:マリア・プリセツカヤ,出演:マリア・プリセツカヤ,ボリショイ・バレエ団
草刈民代が最後のジゼルを踊ったのは44歳。 ここでのプリセツカヤは46歳。 舞台ではなくスタジオで撮った作品だからプリセツカヤはとても激しく踊っている。 振付は鋭く速さがあるわ。 ソビエトで生き抜いてきた決心がみえるの。
衣装がカルダンだからソビエトの中にパリがあるみたい。 しかも背景のエルミタージュ宮殿や軍隊は19世紀以降のロシアが総出演しているような感じ。 モンタージュを含め映画手法を下手に取り入れているからまるでボルシチ鍋の中で踊っているようね。
*ソビエト1976年作品

2012年12月19日水曜日

■DANCE PLATFORM 2012

演出・振付:キミホ・ハルバート,出演:ユニット・キミホ
新国立劇場・小劇場,2012.11.289-12.1
■SKIN AND SKIN
初めてキミホをみました。 顔体型は若いM・モンクのようです。 小柄からくる印象深い動きです。 振付も濃鼠(こねずみ)という感じですね。 少し固さがありましたが。
■MANONよりLAST DUO
酒井はなは素晴らしい。 生き生きとしたしなやかさがあります。 ですから死んでいくマノンにはみえませんでした。 ところで雪が降りすぎですね。 よくできた雪なのでみとれてしまいました。 これではダンスが霞んでしまいます。それとシーン間の闇を多用する理由がわかりません。 この作品には合いますが流れが途切れてしまうのではないでしょうか?
美女と野獣
女性ダンサーたちの赤系の少しずつ違う衣装が素敵でした。 ダンサーの顔に表れる感情表現が細かすぎる感じもします。 これがキミホの演出の特徴というか良さでしょうか? 平原慎太郎は動きがよかったですね。
*チラシ、http://www.nntt.jac.go.jp/dance/pdf/20000628.pdf

■テンペスト

指揮:T・アデス,演出:R・ルパージュ,出演:S・キーンリーサイド,A・ルーナ,I・レナード
東劇,2012.12.8-14(MET,2012.11.10収録)
舞台装置はとてもチープな感じ。 ルパージュが「指環」でお金を全部使ってしまったからよ。 父と娘、復讐や愛の関係がとても分かり易く仕上がっていた。 音楽と歌唱の関係も現代的だし、しかも魔法の不思議さが漂っていて素敵だったわ。
シェイクスピアから良い方向に解放されていたといえる。 スカラ座を劇中劇にしたのはルパージュらしいけどイマイチね。 このようなオペラは観客の好き嫌いが大きいはずよ。 カーテンコールの観客席の2割が空席だったのもわかる気がする。でも去年の「エンチャンテッド・アイランド」よりずっと良かった。 アデスのパワーがあったからよ。
METライブビューイング2012年作品
*主催者サイト、http://www.shochiku.co.jp/met/program/s/2012-13/#program_03

■ハヤサスラヒメ

演出・出演:笠井叡,麿赤兒,出演:天使館,大駱駝艦
世田谷パブリックシアタ,2012.11.29-12.2
「これは事件である」とあったが、この事件にチケットを買うべきか否か! この迷いが当たった。  第九が鳴り響く中、舞台は年末バーゲンセールだ。 笠井の動、麿の静が空回りし過ぎている。
ベートーヴェンが強すぎて二人はどうしていいのかわからない。 もはや音楽に合わせるしかない。 二人に近づきたくないのか天使館コロスは後方にいて控えめだ。 4人の大駱駝艦ダンサーは元気があっていい。
ひと月も早く天使館でのクリスマスと大駱駝艦の大晦日を迎えてしまったような舞台だった。
*チラシ、http://setagaya-pt.jp/theater_info/upload/file/hayasasurahime_pm_pdf_dl_file.pdf

2012年12月18日火曜日

■ファースト・ポジション

監督:ベス・カーグマン
■Bunkamura・ルシネマ,2012.12.1-
ユース・アメリカ・グランプリYAGPに挑む9歳から19歳のダンサー6人のノンフィクション映画よ。 家族やコーチ、友達の登場も多くて、ダンサの生活全体が豊かに表現されているの。 面白いと同時にいろいろ考えさせられてしまう作品ね。
当たり前だけど、前提として豊富な資金力がないとキツイかも。 特に母親との関係が濃くてダンサーになる子供たちが大変なの。 これを昇華させながら練習をしているけどみんな健気ね。
最終選考では中国、韓国、日本の受賞が多く見受けられたけど、名門スクールの奨学金獲得は少なかったみたい。 観ていても奨学金獲得のほうが大事にみえたわ。 前者は今だけ、後者は5年10年先のことだし。 体格や見映え、人種差別もあるはずよ。
*劇場サイト、http://www.bunkamura.co.jp/cinema/lineup/12_firstposition.html

■ロミオとジュリエット

演出:オマール・ポラス,出演:SPAC,テアトロ・マランドロ
静岡芸術劇場,2012.11.24-12.9
チラシ寿司のような舞台だわ。 具はSCOTやSPACから借りた舞台造りや照明そして音楽、役者の動きね。 フランス語と日本語のセリフも上手く混ざっていた。 しかもパスタもだから不思議な味よ。
テンポが中途半端。 「間」を空白で埋めながら観たの。 コミック漫画を見ている感じね。 台詞は面白かった。 ニヤニヤしながら観ていたわ。 でも後半は涙ぐむわね、煙幕も多かったけど。
*劇場サイト、http://www.spac.or.jp/12_romeo.html

2012年12月17日月曜日

■オテロ

■作:W・シェイクスピア,作曲:G・ヴェルディ,指揮:S・ビシュコフ,演出:E・モシンスキ,出演:J・ボータ,R・フレミング,F・シュトルックマン,M・ファビアーノ
新宿ピカデリ,2012.11.17-23(MET2012.10.27収録)
激しい心の動きだけで物語が進むから舞台は騒がしくなるはず。 しかしそう成らない。 とても抑えが効いていたわ。 これはフレミングの経験からくる自信とボータの仕事熱心な賜物よ。 「アヴェ・マリア」を聞いた時、シェイクスピアの世界からヴェルディの世界に移ったのを確信したの。 ヴェルディはシェイクスピアをどうしてもイタリアに連れてきたかったのよ。 ボータは調子がよかったみたい。 静かだけど声に伸びがあったわ。 それにしてもイアーゴは元気が良すぎる。 彼一人で燥いでいたから。 無難にまとめてある舞台だった。
*METライブビューイング2012作品

2012年12月5日水曜日

■ボンビックス モリ WITH ラッシュ

出演:インバル・ピント&アヴシャロム・ポラック ダンス・カンパニ
世田谷パブリックシアタ,2012.11.22-24
フランスのダンス団だと思っていました。 舞台に仏らしさがありました。 それはピエロの登場や禿頭へのユーモアを感じたからです。 イスラエル? どうしてもアラブ世界を思い描いてしまいます。 でも舞台の色彩がバットシェバ舞踊団に似てますね。
一幕が「ラッシュ」で二幕が「ボンビックス モリ」のようです。 同じ流れの作品です。 人形らしく動く振付はよくみかけますが、この舞台は少し違います。 下手という意味ではなく、それは人が人形の動きをしているようにみえるからです。
女性ダンサーが他ダンサを掴まって人形のように動く場面は感心しました。 二幕の4人の女性ダンサが踊るところは最高でした。 ただし椅子や紐などの道具を前面にだしているのでダンス的感動は起こりません。 どこか懐かしさのあるパフォーマンスです。
*劇場サイト、http://setagaya-pt.jp/theater_info/2012/11/_with.html