■ハーベスト

■作:リチャード.ビーン,翻訳:平川大作,小田島恒志,演出:森新太郎,出演:渡辺徹,佐藤アツヒロ他
世田谷パブリックシアター,2012.12.11-24
この100年の家族史を描く芝居や映画を観る時にはある感慨が押し寄せてくる。 それは自身を含め両親や祖父母の生きた時代を振り返るからである。 この芝居もそれに該当する。 養豚業を経営する家族史は初めてだ。 興味を持って観てしまった。
しかし時代分割が多過ぎて皆が機械的に歳を取ってしまっただけにみえる。 現実の世界としての養豚業の話しを取り入れたため他のなにものかを捨ててしまったからだ。 結果、人間関係を熟成させることができなかった。 しかも終幕に強盗や宝籤の話で芝居の全体をぶち壊してしまった。 強盗の一人を撃ち殺しもう一人を養豚業の跡継ぎにする場面は別の芝居かと勘違いしたくらいストーリーに落差がある。 宝籤もそうだが現実が未消化のまま入り乱れていて戸惑う舞台だった。