2011年8月28日日曜日

■超コンデンス

■作・演出:天野天街,出演:少年王者舘
■ザスズナリ,2011.8.25-30
■これが名古屋弁なの?  だとしたら、これで素敵な別世界が見えたのね。 加えて1960年頃の建物や衣装そして歌で不思議な舞台を作っている。 役者は子供のように機敏で劇団名そのものね。 そしてついに少年王者舘がココに現れる!
「おれはここにいるの?」「今はいつ?」・・、自分探しのストーリーのようだけど、セリフは対位法を使って繰り返すから流れがよく分からない。 少女たちの金切りホモフォニーが聞き難かったことも理由の一つよ。 でもこの騒がしさも古い時代の匂いがする。
練習の成果が見えるようなシンプルなダンスは流れにマッチしているわ。 全体を詩のようにまとめたい? たぶんそうね。 発声を良くして聞き易くするのが一番よ。 そうするとセリフのリズムが見えてくる。 リズムが生きてくると自ずと詩が現前する。 ダンスがこれと共鳴する。 そして感動が訪れてくるわ。 もう一歩ね。
*劇団サイト、http://www.oujakan.jp/_images/condense1.jpg

2011年8月26日金曜日

■奇ッ怪、其ノ弐

■作・演出:前川知大,出演:仲村トオル,池田成志,小松和重,山内圭哉
■世田谷パブリックシアタ,2011.8.19-9.1
■死者への心配りが行き届いていた舞台のため日本の8月によく似合う。 それにしても臓器移植や殺人場面の目撃、妻の自殺など話が細かすぎて印象が薄いストーリだ。 これでカーテンコールでの拍手に勢いがなかったのだと思う。 背景の壁が舞台中央奥へ狭まっていくので科白が響く。 まるで役者の身体から声が離れてしまっているように聞こえた。 死者の為にこの構造にしたのならよいが観客から舞台が遠のいてしまう。 最後の祭りの話も盛り上がらなかった。
手や足の変わった動作も生きていない。 最後の大事な場面で矢口が痒いのか左腕を掻いていたが演技にはみえなかった。 ともかく良質の緊張感が続かない舞台だった。 役者もこの芝居は失敗作だったと感じているのが顔に表れていた。
*現代能楽集Ⅵ
*劇場サイト、https://setagaya-pt.jp/theater_info/2011/08/post_242.html

2011年8月19日金曜日

■伯爵令嬢小鷹狩鞠子の七つの大罪

■作:寺山修司,演出:金守珍,出演:ProjectNyx
■ザスズナリ,2011.8.11-21
■最初はリズムが遅くて欠伸がでたけど少しずつ面白くなっていったわ。 一番の盛り上がりは劇中劇について語るところだけど、しかしいつのまにか萎れていって終わってしまった感じね。 つまらなくした原因が幾つかあるようね。
例えば小さな人形を登場させたこと。 人形遣いの人形なら大きくて表情が見えるからいいけど・・。 やはり人形は俳優と同じ位置付けよ。 そして三輪車や犬の陶器も。 これらのままごと遊びや小道具は舞台を現実へ引き戻すことになるわ。
でも鰐婦人がゴンドラに乗って登場する場面は素敵だった。 カモメが飛んでいてヴェネチアの館で観ているようだった。 嵐が強すぎたけどね。 舞台の縦の使い方が効果的だったということかな。
そしてジェニーの歌は寺山の芝居だと思い出させてくれた。 この舞台に便器はちょっと場違いな感じだけどね。 最後の水も含めて、欲張っていろいろ盛り込んだけど消化不良になっちゃった。 再演にはよくあることよ。
*劇団サイト、http://www.project-nyx.com/history/stage07kodakari/index.html

2011年8月15日月曜日

■かみさまの匂い

■作・演出:矢島弘一,出演:東京マハロ
■下北沢駅前劇場,2011.8.11-17
■喪服に始まって喪服で終わるのですがが笑いの多い舞台でした。 長男の葬儀とわかるのは終幕です。 義妹に長男の子供が出来てしまったことが原因です。 しかし長男の心の中まではわかりません。 この芝居には肝心要の決定場面がありません。
「優秀な弟・妹に先を越され・・、(ボランティアで)優越感を噛み締める。 大事な人を傷つけて・・」とチラシにあります。 これに対応するセリフは数カ所ありましたが、長男も次男も義妹もっと別なことを考えていたように見えました。
義妹に子供を産ませる事やボランティアへの意思、自殺する理由がぼやけ過ぎています。 人生理由など無い、と言えばそれまでですが。
でも多くの観客はこのような日本的兄弟喧嘩家族劇が好きなのでしょう。 父が、ここに長男がいる匂いがする!と、義妹の腹にいる子を暗に指して幕が降りるところなどは100年前の日本の小説を読んでいるようです。
*劇団サイト、http://tokyomahalo.com/history/2018/05/01/49/

2011年8月14日日曜日

■マッチ・アップ・ポンブ

■演出:登米裕一、出演:キリンバズウカ
■アルテリオ小劇場、2011.8.6-14
http://kirinba.seesaa.net/
■セリフは意味がはっきりしていて意識の立ち上がりを明確にし且つ少しズラしたテンポを持っています。 普通にはありえない家族関係や何度も出てくるカネの話や田舎の生活で、乾いた漫画のような現実が舞台に作られます。
このような背景と具体的な事象とが結びついてお互いの想いの差異を増幅させて笑いを誘っていきます。 例えば情事後のすれ違い、ありえない殴り合い、こなつと慎太郎の恋人差、教師夫婦間などなど。
しかし「愛ってなんだろう?」のセリフが有る限り今の芝居を超えることはできないと思います。 ここまで来たならもっと抽象化を考えてみたらどうでしょうか? 身体を伴うもっと深い感動が出現するかもしれません。

2011年8月11日木曜日

■タカセの夢

■演出:メルラン・ニヤカム、出演:スパカンファン
■シアタートラム、2011.8.10-11
http://setagaya-pt.jp/cgi/posterWindow.cgi?imgPath=fly_t_110810_spactakase_l_pm_poster_2.jpg
■こどもたちのユメミル夏休みも佳境に入ったようね。

2011年8月8日月曜日

■ストリート・ダンス・フェスティバル

■出演①:ラスト・フォ・ワン&ギャンブラ・クル
■出演②:カンパニー・カフィグ
■KAAT,2011.7.30-8.7
■バトルもあったらしけどこれしか観に行けなかった。 残念だわ。
①チャンピオン歴を持つ韓国の二グループのコラボ。 特にクルのテクニックは凄い! パワーブレイキングね。 でも個人戦のところに時間を取って流れを省かないで演じて欲しかった。
②仏+ブラジルの「CORRERIA」を観る。 走る行為が抽象的すぎてつまらなかったわ。 もっと生の身体でリズムブレイキングに集中してほしい。 義足などいらない。
どちらも感動は少ない。 理由は舞台で上演する起承転結の流れが欠けているからよ。 ①はストリートをそのまま持ってきて、②は逆に舞台を意識し過ぎて自滅ね。 やっぱ、ストリートで見るダンスということね。
*劇場サイト、http://www.kaat.jp/d/ksdf

2011年8月7日日曜日

■キャッチ・マイ・ビーム

■演出:古家優里、出演:プロジェクト大山
■シアタートラム、2011.8.5-6
http://setagaya-pt.jp/theater_info/2011/08/post_241.html
■みんな強力なボディを持っているからもっと暴れてもいいんじゃない? 特におしりやももが素敵よ。 でも意表をついた床に這い蹲る振り付けが一番面白かった。 意味あるスローな場面はつまらないわ。 煙草やスーツ姿そして手招きの仕草も不要よ。
これらの部分はアクロバットに替えたらどう? 真っ盛りの10人が動き回るからトラムの凸型舞台の短所が前面に出てしまった。 ぶつかりそうで観ていてハラハラしたわ。 もっと広い舞台が必要ね。 そしてもっとダイナミックにしたらもっと伸びるわ。

2011年8月3日水曜日

■無重力チルドレン

■作・演出:はせひろいち,出演:劇団ジャブジャブサーキット
■ザスズナリ,2011.7.29-8.1
■2085年、知的流動体生物が月面コロニーの研究者の記憶をもとに昔の妻に変身して登場する、「ソラリス」もどきのストーリである。 しかし地球上で起こった災害を月から眺めた時の距離感をテーマにしているようだ。
ところで今、東京写真美術館では去年のハイチ地震で31万人が亡くなり、パキスタンの大洪水で2000万人が避難した写真展が開催されている。 例え東日本大震災が無くても「すっかり忘れていた」世界で起きた大災害である。 この距離感である。
月から情報だけを通す空間を介して地球を眺めた時の醒めた感覚である。 地球への思い出は妻や学生時代しかない。 役者間の対話は少しヒネっていて面白いが日常生活の雑音のように聞こえてきて眠くなってくる。
この無重力感が一層距離感を出している。 パンフレットに無責任な作品と書いてあったが現代社会の一面を描いていることは確かだ。
*劇団サイト、http://www.jjcoffice.com/jyabujyabu.html

2011年8月2日火曜日

■アンネの日記

■原作:アンネ・フランク,演出:丹野郁弓,出演:劇団民藝
■アルテリオ小劇場,2011.7.21-31
■「じゃりん子チエ」にそっくりなアンネ。 「借りぐらしのアリエッティ」のよう3家族の生活。 閉じられた屋根裏でのアンネの成長は「魔の山」のサナトリウム。 そして終幕は「夜と霧」。 舞台を観ながら次々と色々な作品を思い出してしまったわ。
しかしアンネの成長は深く伝わってこなかった。 母親との関係、ペーターとの関係がサナトリウムのようにはいかない。 でもこれで良いのかも。
全体は程良くまとまっていたし若い役者は簡素で素直な演技でとてもよかった。 アンネと同じ年齢の中・高校生には最高の芝居ね。 でも観客は小学生が多かったみたい。 中・高校生は難しい年頃だから観に来ないのかな?
*劇場サイト、http://kac-cinema.jp/archive_kako/