■かみさまの匂い

■作・演出:矢島弘一,出演:東京マハロ
■下北沢駅前劇場,2011.8.11-17
■喪服に始まって喪服で終わるのですがが笑いの多い舞台でした。 長男の葬儀とわかるのは終幕です。 義妹に長男の子供が出来てしまったことが原因です。 しかし長男の心の中まではわかりません。 この芝居には肝心要の決定場面がありません。
「優秀な弟・妹に先を越され・・、(ボランティアで)優越感を噛み締める。 大事な人を傷つけて・・」とチラシにあります。 これに対応するセリフは数カ所ありましたが、長男も次男も義妹もっと別なことを考えていたように見えました。
義妹に子供を産ませる事やボランティアへの意思、自殺する理由がぼやけ過ぎています。 人生理由など無い、と言えばそれまでですが。
でも多くの観客はこのような日本的兄弟喧嘩家族劇が好きなのでしょう。 父が、ここに長男がいる匂いがする!と、義妹の腹にいる子を暗に指して幕が降りるところなどは100年前の日本の小説を読んでいるようです。
*劇団サイト、http://tokyomahalo.com/history/2018/05/01/49/