■能楽堂六月「貰聟」「雲雀山」
*国立能楽堂六月普及公演の二舞台□を観る. □狂言・大蔵流・貰聟■出演:大藏弥右衛門,大藏教義,上田圭輔 □能・観世流・雲雀山■出演:寺井榮,則久英志,野口能弘ほか ■国立能楽堂,2026.6.13 ■プレトーク「中将姫受難の物語」(高橋悠介解説)を聴く。 「古今和歌集」や「和漢朗詠集」などからの引用箇所を具体的に示しつつ、能「当麻」や世阿弥『申楽談儀』との関連を解説した。 また、中将姫には弟がいたこと、母が姫の七歳のときに亡くなったこと、二度にわたり捨てられたこと、継母との関係など、姫の出生と家族環境を丁寧に遡っていく内容であった。 能「当麻」は今年二月に当劇場で鑑賞しており、中将姫についてもその際に調べていたため、今回のプレトークは理解しやすく、親しみをもって聴くことができた。 能「雲雀山(ひばりやま)」は、シテ・ワキの計算された入退場、子方である中将姫の存在感、鷹匠や犬遣による寸劇など、変化に富んだ舞台であった。 シテの侍従は後場になると性格の強さが際立ち、頼もしさを感じさせる<姉御>のような人物像が立ち上がる。 父娘の再会で幕を閉じる構成も温かく、後味の良い一曲であった。 シテ面は「曲見(しゃくみ)」。 狂言「貰聟(もらいむこ)」も以前に当劇場で観ている作品である。 「夫婦・親子の人情の機微を描いた佳作」と評されるだけあり、上演機会が多いのも頷ける。 *劇場、 https://www.ntj.jac.go.jp/schedule/nou/2026/85010/