■ガリレオ、ENDLESS TURN

■原作:ベルトルト・ブレヒト,台本・演出:多田淳之介,出演:石井萠水,大内智美,大高浩一ほか,劇団SPAC
■静岡芸術劇場,2026.1.18-3.7
■舞台にはドーム状の大きな構造物が置かれ、その周囲には大小の石が散らばっている。 まるで土星のようにも見えるその表面には映像や文字が投影され物語進行の一翼を担っていた。
冒頭では700万年前からの人類史がテンポよく振り返えられる。 その後、時代はガリレオの生きた17世紀へと移り物語が本格的に始まる。 ガリレオの死後も更に未来へと進みAIが人知を超えるとされる2050年頃まで描いてから幕を閉じるという構成である。
舞台では、地動説を唱えるガリレオと天動説に固執する宗教者たちとの対立が描かれる。 ガリレオは科学の基本である<観測>を重視するが、宗教者たちは望遠鏡を覗こうともしない。 つまり、彼らの多くも地動説が正しいことを感じていたのだろう。 教会の権威を守れることが分かった時点で受け入れることになるのだ。 真理や真実の追究はいつの時代でも権利・権力が纏わりつくのが常である。
それにしても登場人物の多い舞台である。 20人以上は登場していたのではないだろうか。 一人が複数役を演じたり、逆に複数人で一役を担ったりと、巧みに構成されていた。 ガリレオ役も子供時代、青年期、老年期と役者が入れ替わる。 衣装はどれもキッチュな雰囲気で、胸には電子基板のような装飾を付けられている。 ロボットを暗示しているのだろうか。 さらにラップ調の動きや、聞き取り難いスピーカーからの解説、文字による補足などが頻繁に挿入され、舞台は常に賑やかだった。
演出家は「俯瞰して見られるように作っている」と語っていたが、俯瞰の視点が高くなりすぎたのかもしれない。 ト書を含む説明が多く、結果としてガリレオの経歴をなぞるだけの印象が残った。 おそらく中高生向けに構成された舞台なのではないかと思われる。
*SPAC2025シーズン作品
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