■パルシファル

■作曲:R・ワーグナー,指揮:D・ガッティ,演出:F・ジラール,出演:J・カウフマン,R・パーペ,K・ダライマン
新宿ピカデリ,2013.4.6-12(MET,2013.3.2収録)
指輪が終わってもまだ彷徨っているのね、ワーグナーは。 「われわれはどこから来たのか?どこへ行くのか?そして自分は誰なのか?」。 科白は言葉を噛みしめ意味を絞りだすから画面に釘付け。 しかも聖槍や聖杯そして救済の話でより宗教的複雑さを増していくの。 ワーグナーの中心へ落ちていく感じだわ。
R・ルパージュもF・ジラールもどちらもケベック出身。 でもこの作品を観てルパージュの指輪がフランス的に見えてしまった。 
舞台美術も音楽・歌唱と同期していてとても重たい。 特に2幕の愛と性、母の誘惑でベッドや衣装を血で染めるのは凄すぎる。 ワーグナーを観ると精神も肉体も昇華してしまうわね。
*METライブビューイング2012年作品