■エネミイ

■作:蓬菜竜太,演出:鈴木裕美,出演:高橋一生,高橋由美子,梅沢昌代ほか
■新国立劇場・小劇場,2010.7.1-18
■全共闘活動家2名が40年ぶりに訪れた大学時代の同志とその家族を巻き込んでいく話である。
職業について考えてしまった。 リストラ推進の仕事をしていた父の性格・人生観が職業で変化するなど普通には考えられない。 コンビニの交代勤務計画作成もそうだ。 またゲームプログラム作成工程も警察官の行動も疑問だ。
 このような労働内容はイレギュラーとしてはあり得るが現実とは大きくズレている。 企業組織とそのコミュニケーション下で働く姿が見えてこない。
活動家に父の仕事内容を息子に向かって否定的に言わせているがこれでは活動家もたまったものではない。 しかも<職業>としての活動家は家庭を持ち現実的に生活しているものが多い。
想像力を膨らますのはよいがあらぬ方向に膨らましすぎている。 母のセリフ「何が問題なの?」は方向が見えなくなったこの芝居に対する批判だ。 エネミイは仕事=職業の中にある(?)とこの芝居は言っている(?)が、これではエネミイは見つからない。
*劇場サイト、https://www.nntt.jac.go.jp/play/20000210_play.html