■東京ローズ

■台本・作詞:メリー・ユーン,キャラ・ボルドウィン,作曲:ウィリアム・パトリック・ハリソン,音楽:深沢桂子,演出:藤田俊太郎,出演:飯野めぐみ,シルビア・グラブ,鈴木瑛美子,原田真絢,森加織,山本咲希
■新国立劇場・小劇場,2023.12.7-24
■なんと!ミュージカルでした。 女優6人で全ての役を熟す一人数役です。 主人公アイバも6人が順番に担当する。 面白い方法です。 違和感が無いのは科白を歌唱に変えた為でしょう。 こぢんまりとした舞台だが、物語の流れ、歌唱・演技・演奏どれもが巧くまとまっていました。
実はアイバが戦後に米国で裁判にかけられたことは知らなかった。 舞台は国家反逆罪に問われた裁判の過程で彼女の過去が演じ語られる。 劇中劇の一種です。
太平洋戦争がもろに被さるので政治色が濃い。 しかも戦争中の日本と戦前戦後のアメリカを生き抜いた日系二世のアイバの微妙な立ち位置が揺れ動いていく。 彼女は1949年の裁判で有罪になり禁固10年を言い渡された。
戦争中の二つの国を泳ぎ切った主人公が頼もしい。 「お前はお前であることを貫き通した!」。 終幕、父はアイバを国家を超えた一人の人間として褒め称える。 29年後の1977年に彼女は特赦によりアメリカ国籍を回復しています。
*「ゼロ・アワー」(やなぎみわ演出)を2013年に観ていた. 今日とはまったく違う切り口の舞台でした.
*「ブログ検索🔍」に入れる語句は、藤田俊太郎 ・・検索結果は2舞台.