■胎内

■作:三好十郎,演出:伊藤全記,出演:山口真由,劇団:7度
■こまばアゴラ劇場,2023.12.6-10
■一人芝居らしい。 役者山口真由が観客に向かって演劇体操をやろうと言い出す。 客は体操をして始まるのを待ちます。 役者はなおも準備運動をしながら、場内は暗くなっていく。 ・・なんと憑依したのか!? 唸るような激しい男の声が響く。 明るくなると同じ役者と分かる。 腹の底から捩じりだしてくる声だ。 準備運動の必要が分かりました。
戦争が話題になり、ここで三好十郎の1949年作品と書いてあったのを思い出す。 若者の行き場のない生活を舞台に乗せている。 現在でも似た状況に置かれている者も多いはずです。 暗い狭い空間に閉じ込められていて、心と体の分断を恐れている。 (食うカネは欲しいが)パン助にはなりたくない。 自殺も嫌だ。 観ていてもシンドイですね。 三好十郎を料理するにはもう一手間を加える必要がありそうです。
役者は舞台上で化粧をして新たな服に何度か着替え、衣装を散らかしたり畳んだりする。 女一人芝居の定番が続くが面白くみることができました。 科白は数十分ごとに繰り返しているように聞こえた。 同じ科白群が三度(?)あったからです。 上演時間が短くなっても、これは二度迄が効くでしょう。
客席に井の頭線の電車音が聞こえてくる。 終幕に救急車のサイレンが耳に入ってきたが、これは演出か? 自殺をしてしまった? 終演後、劇場から出ると目の前に救急車が止まっていました! ・・!
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