■4センチメートル

■演出:詩森ろば,作曲・演奏:後藤浩明,劇団:風琴工房
■ザスズナリ,2016.12.21-29
■スズナリの舞台に登場する工場は下町零細企業で主人公は悲運な結末を向かえることが多い。 しかし今日は違った。
巨大自動車工場で主人公は当設計部門に勤めている。 車椅子をそのまま乗せられる車を作りたい! その為には車高を4センチメートル増やす必要がある。 設計や製造部門の同僚や上司へ説得を続けるが簡単に事は運ばない。 しかし一つ一つ問題を解決し最後に目標を達成する話である。
まとまっている舞台である。 歌唱もあり歌詞もストーリーに溶け合っている。 車椅子と自動車の問題点も納得がいく。 社内会議やプレゼンテーションも定性的だが違和感は無い。 企業の社会的立場への提言も分かり易い。
演出家は知的障害者ボランティア活動をしていたらしい。 これも説得力ある流れに繋がっているのだろう。 楽日で超満員の客席は身動きがとれない。 今年最後の観劇だが楽しい舞台で終わらせることができて嬉しい。
*作品サイト、http://www.windyharp.org/yon/