■ハード・ブロブレム

■作:トム・ストッパード,演出:ニコラス・ハイトナー,出演:オリヴィア・ヴィノール
■東宝シネマズ川崎,2016.9.30-10.5(NT2015年収録)
■心脳問題を話題にしたストーリのため追うのが大変。 意識とは何か・・、心=意識は脳=物質に還元できるか? 主人公ヒラリーは心理学者だけあって同僚の機能主義を採らずむしろ二元論的言語主義に傾いていくようね。 作者トム・ストッパードの考えも同じだとおもう。 至るところで自然言語に基づく考えをさり気なく述べているからよ。
でもこのような問題を芝居に載せても面白くない。 つまり断片的議論や実験結果はイージー・プロブレムに還元されてしまうから。 芝居では耐えきれないのよ。 しかも「囚人のジレンマ」を例に生物進化での利己・利他主義を並行で議論するからより混乱してしまう。 結局はヒラリーに哲学に転向しようと言わせてしまうの。 お祈りや別れた子供との出会いも添え物にみえる。 ここは突破口だったのに深めることができない。 脳や遺伝子と生物の話題を混ぜ合わせたのはいいけど下手に拡散させてしまったのね。
*NTLナショナル・シアター・ライヴ作品
*映画COMサイト、https://eiga.com/movie/82983/