■マハゴニー市の興亡

■作:B・ブレヒト,曲:K・ヴァイル,演出:白井晃,音楽:スガダイロ,振付:Ruu,出演:山本耕史,マルシア,中尾エミ,上条恒彦,古谷一行
■神奈川芸術劇場・ホール,2016.9.6-22
■ブレヒトの時代と現代が直結している舞台だった。 ここから1930年の公演状況が目にみえてくるようだわ。 「人生は短い、時は無駄に使うな・・」「生き残るのは俺、くたばるのはお前ら・・」。 こんなにも歌詞が迫ってきたのは久しぶりよ。 歌唱と科白が混ざって物語が切れ切れになるけど少しづつまとまっていくのが分かる。 これは演出家の力ね。 「死んだらすべて終わり・・」が凄まじい食欲や性欲を肯定している。 そして終幕のデモ行進も時代と異化効果を越えてメッセージを現代に届けている。 ラジカルな舞台だわ。
マハゴニー市民席があるため広い舞台でも四散しないでみることができた。 虚しさが感じられるネオンも天井を巧く埋めていたわ。 マルシアや中尾ミエはハッキリ聞き取れたけど男性陣の歌唱で聴き難い個所があったのは残念。
山本耕史の都合で開幕が1時間遅れてしまったの。 石田三成も緊張場面は体調を崩して席をよく外していたし・・。 大谷吉継が言うように彼は繊細過ぎるのね。
「マハゴニー市の興亡」(浅野佳成演出2016年)
*劇場サイト、http://www.kaat.jp/d/mahagonny