■荒野のリア

■原作:W・シェイクスピア,演出:川村毅,出演:麿赤兒,手塚とおる
■吉祥寺シアタ,2016.9.14-19
■科白を聞いているとまるでシェイクスピアの「リア王」のようだ。 そういえばチラシにそう書いてあった。 麿赤兒のリアは面白い。 動きがいい。 太さが在る。 麿は舞踏より演劇に比重を割いたほうがよいのではないだろうか? 役者が全て男だけというのも舞台に加速度が出て楽しい。 特に道化とエドガがよかった。 この加速が麿を生き返らせている。 でも男からみた女の評価は月並みに聞こえた。 照明や美術も演出家の好みだろう。 ゴネリルやリーガンの科白場面でのヌード写真は納得できるが、小津安二郎やジョン・フォードの作品はどういう事だかよく分からなかった。 「晩春」や「東京物語」、ジョン・ウェインではシラケてしまう。 異化効果でも狙ったのかな? そして月の砂地にいるリアとグロスタが遠く地球を眺める終幕はなんと言ってよいのか分からない。 悪くはないが、・・邪道とも言えない。
*劇場サイト、http://www.musashino-culture.or.jp/k_theatre/eventinfo/2016/06/post-47.html