■まちがいの喜劇

■作:W・シェイクスピア,翻訳・演出:河合祥一郎,出演:高橋洋介,寺内淳史,梶原航,多田慶子,原康義
■あうるすぽっと,2016.9.7-11
■この作品は二組がどれだけ似ているのか想像しながら劇場へ向かうのが楽しいのよ。 はたしてエフェソスのアンティフォラスが登場した時は帽子を深く被っていたけどシラクサにスゲー似ている!と思わず唸ってしまったわ。 間違いの喜劇ね。
駄洒落も多いし漫才をしているような場面もある。 際どい科白もあって楽しい。 この言葉世界を役者が意識しているので独特な響きが場内に広がる。 特にエイドリアーナのお喋りで夫婦裏がとてもリアルに見えてくるところが面白い。 ドローミオも道化的台詞で舞台の流れを上手に動かしていた。 それにしてもこんなにも駄洒落や綾があったのかしら? 流石新訳ね。
大団円では逆に両親の科白が再会へ集約しなくてカタルシスが得られなかった。 一人二役の欠点も現れてしまった。 なぜなら<再会>できないからよ。 終幕では兄弟同時に登場したけど後ろ向きが多くて残念。 兄弟でカーテンコールができないのは寂しい。 でもシェイクスピア科白の面白さを再び教えてくれた舞台だった。
*チラシ、http://stage.corich.jp/img_stage/l/stage60063_1.jpg?1473379342