■蝶々夫人

■音楽:G・プッチーニ,指揮:K・M・シション,演出:A・ミンゲラ,出演:K・オポライス,R・アラーニャ
■東劇,2016.5.7-13(MET2016.4.2収録)
■ウーン、これは面白い。 日本だけど日本でない。 中国・朝鮮・東南アジアの匂いもする。 花鳥の自然描写も日本的というより地球レベルを感じさせる。 着物のグラディエントも現代美術を見ているようだわ。 それでも日本を強く意識するの。
クリスティーヌ・オポライスは「・・蝶々夫人が好きだ、この作品は特に気に入っている」と言っていたけど、このことが見事に歌唱と演技に現れている。 彼女の無国籍で無表情な振る舞いにも関わらず豊かな舞台が出現している理由よ。 しかもこの振る舞いが<日本>を近づけてもいるらしい。 そして人形浄瑠璃の子供が彼女にぴったり寄り添うところは感情を越えた純粋親子のようね。
演出家アンソニー・ミンゲラを出演者たちは称賛していたけど舞台をみれば納得。 公開時に観た「イングリシュ・ペイシェント」や「コールド・マウンテン」がまだ記憶に残っているのもそれを証明している。
*METライブビューイング2015作品
*作品サイト、http://www.shochiku.co.jp/met/program/s/2015-16/#program_08