■マクベス

■作:W・シェイクスピア,監督:J・カーゼル,出演:M・ファスベンダ,M・コティヤール
■東宝シネマズ新宿,2016.5.13-(2015年作品)
■荒涼としたスコットランド風景はそのままマクベスの心象に繋がる。 俳優たちの凄みのある顔容もこの風景に溶け込んでいく。 ほぼ独白劇である。 これで映画から演劇に近づいていく。 余計な物事を省略しているので力強い。 シェイクスピアが観たら<合格>と言うだろう。
宴会場面、亡霊バンクォと貴族やマクベス夫妻の立ち振る舞いに息を呑んだ。 全体を振り返るとマクベス夫人の存在感をくっきりと出せたら一層面白くなったはずだ。 ロマン・ポランスキやオーソン・ウェルズの個性有る同作と違って映画の広さと演劇の深さを兼ねそろえている。 戦闘場面が激しくなるのは集客上致し方ない。
「マクベス」は今年で二本目になる*1。 没後400年ということで野村萬斎版もこの6月に再演するらしい。
*1、「オペラ・クラブ・マクベス」(こんにゃく座,2016年)
*作品サイト、http://macbeth-movie.jp/