■ルル

■作曲:A・ベルク,指揮:L・ケーニクス,演出:W・ケントリッジ,出演:M・ペーターセン,J・ロイタ,F・グルントヘーバ,S・グラハム
■新宿ピカデリ,2016.1.16-22(MET2015.11.21収録)
■演出家が同じだから「」と舞台が似ているのはしょうがない。 でも墨絵が濃すぎて折角の美術が台無しの場面がある。 残念だわ。
十二音技法は取っ付き難いけどいつの間にか物語に入っていける。 シゴルヒ役がインタビュで「最初に台詞を暗記する・・」と言っていたけどとてもスリリングな科白なの。 これが十二音技法に乘ると欲望の渦巻く感情表現が詩的に聞こえる。 でも人間のもがき苦しむ姿はしっかりと届く。 終幕の売春宿ではお釣りのことまで事細かく歌うの。 芝居ではよくあるけどオペラでここまで描くとは大したものね。 マルリース・ペーターセンはこの舞台でルル役を引退するようだけど素晴らしかった。 いつものスーザン・グラハムはベルクとはちょっと合わない感じね。
*METライブビューイング2015作品
*主催者サイト、https://www.shochiku.co.jp/met/program/s/2015-16/#program_04