■恋に狂ひて、説経「愛護の若」より

■脚本・演出:遠藤啄郎,節付け・弾き語り:説経節政太夫,出演:横浜ボートシアタ
■神奈川芸術劇場・大スタジオ,2016.7.1—10
■雛祭りで飾るような人形を役者が持って演じます。 雛人形といっても身長が60cm、顔は10cmでしょうか。 手足はもちろん顔も動きません。 このため人形を持っている役者が台詞を喋ったり演技の大部分をします。 
最初は戸惑いました。 役者に目がいってしまい人形が単なるアクセサリーに見えてしまったからです。 人形に魂が入らない。 しかも人形の顔が小さい。 表情があればよいのですが動かない。 これではいけないと思い後半は人形に集中しました。 でも役者の動きもけっこう激しいので同じです。 両者の動きが競合または分離してしまう。 これが面白さに到達できない理由でしょう。
役者が演技をしないで科白だけなら問題無い。 人形だけが演技をする場面もいいですね。 役者が顔を隠し黒子になるところは物語に入り込めるからです。 複雑な物語で多くを考えさせられましたが全体的には子供用の芝居を観たような後味が残りました。
*劇場サイト、http://www.kaat.jp/d/ybt35