■月・こうこう、風・そうそう-「かぐや姫伝説」より-

■作:別役実,演出:宮田慶子,出演:和音美和,山崎一,花王おさむ,松金よね子,橋本淳,竹下景子,瑳川哲郎
■新国立劇場・小劇場,2016.7.13—31
■「かぐや姫」が下敷きですが風道の吹き溜まりでいろいろな話が混ざり合っていきます。 意味ありげな人々が次から次へと登場する。 多くは悲劇のようなものを背負ってきますが不条理変換すると喜劇のようなものに広がります。 すべてが混ざり合って独特な雰囲気が漂います。 それは静かなようで五月蠅い。 煩い中に静寂がある。  
言葉と身体がこの雰囲気から少し外れていた役者もいましたが。 また囲碁は長過ぎて調子が狂ってしまった。 短くしたらどうでしょうか? 
新作のようですが作者の集大成にもみえます。 盲御前の歌う「舞え舞えかたつむり」は印象深い。 舞台を豊かにしていました。 姫の行く末を語りにして幕を下ろすのは作者も悩んだのではないか? 輪廻を表現し難かったのかもしれない。 勿体ない気もします。 別役作品を久しぶりに楽しめました。
*NNTTドラマ2015シーズン作品
*劇場サイト、http://www.nntt.jac.go.jp/play/performance/150109_006145.html