■池袋モンパルナス

■作:小関直人,演出:野崎美子,出演:劇団銅鑼
■俳優座劇場,2016.3.2-6
■とても熟れている舞台だった。 場面切替えも踊りや歌で繋げて滑らかに感じる。 ストーリーにも澱みが無い。 改訂や再演で磨きがかかっているのね。 
1920年後半に東京池袋に集まってきた画家たちの話*1。 <芸術の革命>を目指すが特高に目を付けられ戦争に抗い切れず多くの画家は戦地へ行くことになる。
靉光を中心に物語が描かれているの。 当初彼は「太平洋美術会」で学ぶ。 ここには松本俊介も在籍していたらしい。 「みづゑ」への投稿も話題にのぼる。 靉光らは1930年後半から「独立美術協会」展などに出品。 そして1939年福沢一郎*2、寺田政明、古沢岩見らと「美術文化協会」を創立、1943年には「新人画会」結成。 その後靉光も召集、・・戦地満州からの彼の手紙を妻が読みあげ、松本俊介のカメラで記念写真を撮り幕が下りる。 八方美人のような舞台だったけど青春群像の面白さは現れていた。 当時の池袋のカフェの雰囲気がみえなかったのはちょっと残念ね。  
*1、「池袋モンパルナス」(2011年)
*2、「福沢一郎絵画研究所」(2010年)
*劇団サイト、http://www.gekidandora.com/titles/ikebukuromoparunas/