■サロメ

■原作:O・ワイルド,作曲:R・シュトラウス,指揮:D・エッティンガ,演出:A・エファーディング,出演:C・ニールント,G・グリムスレイ,C・フランツ,R・プロウライト
■新国立劇場・オペラパレス,2016.3.6-15
■入り難い舞台だったわ。 すべてを寄せ付けない雰囲気が漂っているの。 ユダヤ教とキリストの混ざり合った時代背景や前衛時代のシュトラウス・オペラが解からないからかも。 周辺を捨て核心的な場面しか描いていないから?
しょうがないのでプログラムを購入。 「シュトラウスの管弦楽法」でドラマ的手法をワーグナーから学びとったこと、「オスカーワイルドの人生と文学」から「・・お前の躰ほど白いものはない、お前の髪ほど黒いものはない、おまえの唇ほど紅いものはない・・」とサロメに言わせているのはワイルドの同性への愛が含まれているらしいと直観したわ。 この部分を前者はヨハナーンの高貴がサロメの欲望の犠牲になったというモチーフを重ね合わせたドラマの重層性で語っているの。 「ヘロディアの娘」でヨハナーンを憎んでいるのはヘロディア(マルコ福音書6章、レビ記18章)ということが分かったが舞台ではその強さを感じ取ることできなかった。 しかしヨハネは旧約聖書時代の最高の預言者でありキリストの到来を告げる人だからキリスト教社会では衝撃的な物語になるはずね。 入口が見えてきたかしら? 「7つのヴェールの踊り」は歌手が踊るのだからこれで良しとしましょう。
*NNTTオペラ2015シーズン作品
*劇場サイト、http://www.nntt.jac.go.jp/opera/performance/150109_006151.html