■天守物語

■原作:泉鏡花,作曲:水野修孝,指揮:山下一史,演出:荒井間佐登,出演:佐藤路子,迎肇聡ほか,日本オペラ協会合唱団,多摩ファミリーシンガーズ,演奏:フィルハーモニア東京
■新国立劇場・中劇場,2016.3.5-6
■日本オペラ協会公演のためかとてもシッカリ作られている。 美術・衣装・照明は申し分ない。 演出家の話によると前半が狂言風、後半は夢幻能風に設定したらしい。 亀姫・朱の盤坊・舌長姥が登場する場面はいつ見ても面白いし狂言風も成功している。 後半の夢幻能はよく分からなかった。 でもシンプルにまとめているので観易い。 それより日本語の響きが心地よい。 日本語オペラを観ると声と言葉の関係をとても意識してしまう。 母語以外のオペラではそうはいかない。 能を現代版にしたようにもみえる。 日本語字幕も効果はあるが文字を見ると何かを失う感じがする。 事前に原作の再読が必要な舞台だったのかもしれない。 都民芸術フェス参加作品の為かいつもとは違うタイプの観客が目立った。
ところで若者の演劇離れや演劇人口が減っているらしい。 昨日の夕刊一面に全国演劇鑑賞団体連絡会議会員数29万人(1997年)が15万人(2015年)まで半減した記事が載っていた。 寄り道をする余裕がなくなったことも理由だろう。
*2016都民芸術フェスティバル参加公演