■真珠採り

■作曲:G・ビゼー,指揮:G・ノセダ,演出:P・ウールコック,出演:D・ダムラウ,M・ポレンザーニ,M・クヴィエチェン
■新宿ピカデリ,2016.2.6-12(MET2016.1.16収録)
■25歳ビゼーのオペラ出世作らしい。 ヒンズー教神々の名が歌われるから場所はインドかな。 祭儀場面もあるけど正確にはみえない。 キリスト教思想も取り入れている感じね。 形だけの真似事の為か宗教的感動はやって来ない。 ストーリーには津波もあるし大火もある。 でも三角関係を雑に省略しているから物語的感動も少ない。 終幕に頭領ズルカが尼僧レイラと漁夫ナディールを許すのが唯一の見せ場ね。
それよりこの三人の歌唱をジックリ聞かせるのがこの作品の目玉のようだわ。 なかなかの独唱と二重唱がちりばめられている。 でも歌詞は日常口語的な言葉で一杯なの。 翻訳なので分からないけど、この歌詞の生活感覚が作品を生き返らせている。 当時は批評家からは酷評されたようね。 でも一般聴衆から歓迎された理由がここにあるんじゃないかしら?
*METライブビューイング2015作品
*作品サイト、http://www.shochiku.co.jp/met/program/1516/