■マノン・レスコー

■作曲:G・プッチーニ,指揮:F・ルイージ,演出:R・エア,出演:K・オポライス,R・アラーニャ
■新宿ピカデリ,2016.4.2-8(MET2016.3.5収録)
■デ・グリュがカウフマンからアラーニャに代わったのね? あらにゃ! でもロイヤル・オペラ*1と同じにならなくて良かったかもよ。
1940年パリの舞台は急階段で緊張感が一杯ね。 ドイツ軍兵士もみえる。 この時代にした理由を演出家は、衣装を目立たせない、善悪をはっきりさせない、フィルム・ノワールを想起する為だと言っているの。 狙いはいいけど占領下での緊張感とストーリーが上手く噛み合わなかった感じがする。 ジョージ・グロス風世界も見え隠れするけどプッチーニとの相性はどうかしら? しかも演出家は物語を断片化・抽象化し過ぎている。 これは原作も悪いの。 そしてマノンは艶が無い。 幕ごとに上り調子だったけど、あっち向いて愛を歌っている。 逆にアラーニャはシチリア的フランス人を演じてしまった。 性欲も昇華できず消滅してしまった。 素晴らしい構想が出来上がっているのに演出家を含め一人ひとりが先走ってしまったようね。
*1、「マノン・レスコー」(ROH,2014年)
*METライブビューイング2015作品
*MET、http://www.shochiku.co.jp/met/program/s/2015-16/#program_07