■翻案・犬の静脈に嫉妬することから

■振付:小林嵯峨*1,出演:榎木ふく,犬吠埼ヂル,小松亨,相良ゆみ,入江平,横滑ナナ
■d-倉庫,2016.11.4-6
■客の平均年齢は高いですが若い女性も多いのは小林嵯峨だからでしょう。 それに答えてか彼女は色打掛と角隠しで登場します。 舞台中央に薄汚い階段が延び、下手の錆びついた洗面台から水が垂れている。 嫁入り衣装での踊りは異様です。 衣装を脱いで白の長襦袢の後ろ姿には血が滲み出ている・・。 後半、薄い肌着だけで女の性を表現する独舞は圧倒されます。 あと一歩で鬼婆ですね。
ダンサー6人が登場しますが日常の目をしています。 途中、犬の首をぶら下げた乞食仙人が登場し彼女を慰めますが喜劇的です。 土方巽のチラシ文章の激しさとは違う感じがします。 翻案とあるように小林嵯峨の思いが表現されているのでしょう。 女というものを前面に出している作品に見えました。
*1、「kRUMI-2」(d-倉庫,2010年)
*秋工会サイトhttp://akiko-tokyo-doso.main.jp/kikoh/aki_kikoh_20160831.html