■阿弖流為 アテルイ

■作:中島かずき,演出:いのうえひでのり,出演:市川染五郎,中村勘九郎,中村七之助
■東劇,2016.6.25-(新橋演舞場,2015年7月収録)
■ゲキXシネの新作かとチラシを見直したらシネマ歌舞伎でした。 でも中身は前者に近い。 それと阿弖流為(アテルイ)は高校日本史に登場したようですが覚えていません。
この作品の面白いところは阿弖流為と坂上田村麻呂の主人公二人が国家と距離を置いている事でしょう。 前者は神殺し、後者は「義に大が付くと胡散臭い」と言っているのでもわかります。 いつの時代でも「正義」を説く側は胡散臭い。 国家は神と一心同体であり祭りと戦争の機械でもある。 激しい戦いの末、阿弖流為と蝦夷の神は殺され大和朝廷に降ります。 しかし坂上田村麻呂は阿弖流為との友情からこれ以上の蝦夷への侵略を止める。 徳政論争の事でしょうか?
要点を突いた簡素な台詞を堆積させることにより役者たちのキャラクタをはっきりと描き出しています。 そして国家と神に翻弄されながらも二人の長の人間味溢れる舞台は最高のエンターテインメントですね。
*シネマ歌舞伎第24弾作品
*作品、http://www.shochiku.co.jp/cinemakabuki/aterui/