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■古事記

■原作:鎌田東二,演出:レオニード・アニシモフ,劇団:TOKYO・NOVYI・ART ■梅若能楽学院会館,2025.12.6 ■能楽堂の上演では能舞台の形式に合わせる構成が多い。 演奏と歌唱を担当する六人が囃子座に並び、歌唱専門の一人が大太鼓を持って地謡座に座る。 白装束に顔を白く塗った十二人の演者が橋掛りから入場し、ゆっくりした動作で演じ始める。 演者はほとんど動かず、その科白は歌唱に近い調子で語られる。 進行役は地謡座の一人が務めていた。 物語はイザナキとイザナミの神話を題材にしているようだ。 ・・二人は泥水を掻き回して島をつくり、結ばれて子をもうけるが、妻イザナミは命を落としてしまう。 イザナキは黄泉の国へ赴くも、そこで仲違いしてしまう。 続いて、イザナキの身からアマテラスとスサノオがつくられる。 しかしスサノオの奔放な振舞により、アマテラスは岩屋に隠れてしまう。 そこで八百万の神々が宴を開き、岩屋の扉を開ける・・。 鎌田東二の原作は未読だが、古事記との違いは舞台を観てもよく分からなかった。 むしろこれは演劇というより儀式に近い印象を受けた。 神話を素朴に感じることはできたが、儀式とは何かが上手く言えない。 原作に答えがあるのだろうか? この劇団による「源氏物語」を同じ舞台で観たことがあるが、今回の舞台は形式的にはよく似ていた。 ただし違いは科白の深さにある。 神話の科白は解説になりがちで、しかも肝心の<歌>が十分に熟成していない。 これが舞台を平凡にしていた要因かもしれない。 *鎌田東二氏追悼公演. *劇団、 https://tokyo-novyi.com/about-us/repertory-works/ *「ブログ検索🔍」に入れる語句は、レオニード・アニシモフ ・・ 検索結果は14舞台 .

■2018年舞台ベスト10

□ ヒッキー・ソトニデテミターノ   演出:岩井秀人,劇団:ハイバイ □ vox soil   演出:北村明子,出演:Cross Transit □ ハムレットマシーン   演出:三浦雨林,劇団:隣屋 □ その人ではありません   演出:富永由美,劇団:旧眞空鑑 □ 紛れもなく、私が真ん中の日   演出:根本宗子,劇団:月刊「根本宗子」 □ バリーターク   演出:白井晃,出演:草彅剛,松尾諭ほか □ チェーホフ桜の園より   演出:レオニード.アニシモフ,劇団:東京ノーヴイ.レパートリーシアター □ 魔笛   演出:ウィリアム.ケントリッジ,指揮:ローラント.ベーア □ Is it worth to save us?   演出:伊藤郁女,出演:森山未來 □ 歯車   演出:多田淳之介,劇団:SPAC *並びは上演日順。 選出範囲は当ブログに書かれた作品。 映画(映像)は除く。 *「 2017年舞台ベスト10 」

■2021年舞台ベスト10

■ 少女都市からの叫び声  演出:久保井研・唐十郎,劇団:唐組 ■ 眠れない夜なんてない  演出:平田オリザ,劇団:青年団 ■ セルセ  演出:中村蓉,主催:東京二期会 ■ 夜への長い旅  演出:フィリップ・ブリーン,主催:Bunkamura ■ 未練の幽霊と怪物ー挫波・敦賀ー  演出:岡田利規,主催:神奈川芸術劇場 ■ ウィルを待ちながら  演出:河合祥一郎,制作:kawai Project ■ ヤコブの井戸  演出:清水寛二,主催:銕仙会 ■ 桜の園  演出:ダニエル・ジャンヌトー,劇団:SPAC ■ 検察官  演出:レオニード・アニシモフ,主催:東京ノーヴイ・アート ■ あーぶくたった、にいたった  演出:西沢栄治,主催:新国立劇場 *並びは上演日順。 当ブログに書かれた作品から選出。 映画・映像は除く。 *「 2020年舞台ベスト10 」

■どん底

■作:マキシム.ゴーリキー,演出:レオニード.アニシモフ,翻訳:遠坂創三,尺八:大内田淳,出演:麻田枝里,安部健,池野上眞理ほか,東京ノーヴイ.レパートリーシアター ■梅若能楽学院会館,2019.12.22 ■2018年上演の「 チェーホフ桜の園より 」が面白かったので再び会館へ足を運んだ。 能に似た変わった芝居だったからである。  舞台には何も置いていない。 地謡座には尺八と太鼓のみ。 衣装から役者は江戸時代の庶民にみえる。 下町長屋の住民という設定らしい。 衣装にはいつも驚かされる。 今回の「どん底」は能より狂言に近い。 狂言を取り入れた現代演劇と言ってよい。 役者は橋掛や切戸口から出入りし、舞台では静止に近い状態で立っている座っている場面が多い。 感情を強く表す時もあるが科白は高揚が少なくゆっくり喋る。 言葉が澄み切って聞こえてくるのが素晴らしい。 また、この定速度の舞台が時として劇的に作用するのが面白い。 これでゴーリキーの言いたいことがはっきりと伝わってくる。 巡礼者ルカが去り<真実>についての議論に花咲かせたあとに役者の自殺で幕になる。 「・・真実は自由人の宗教だ!・・俺たちのような自由に程遠い人間には嘘も大いに必要」。 <真実>は等しく得ることができないが、その材料の一つ<事実>もそうなりつつある。 フェイクの奥深さを考えさせられる作品である。 騒がしい「どん底」はよく観るが、この舞台は静かな「どん底」だった。 騒がしさは内に秘めていた。 能や狂言を取り入れて能舞台で上演する現代演劇は今回も裏切らなかった。 *レパートリー夢の祭典2019作品 *CoRich、 https://stage.corich.jp/stage/102751

■かもめ

■原作:A・チェーホフ,演出:レオニード・アニシモフ,出演:瀧山真太郎,朱花枷寧,小倉崇昭ほか,劇団:東京ノーヴエイ・アート ■カンフェティ・配信,2024.2.24-25 ■チェーホフは忘れた頃にやってくる。 そして人生で忘れていた事を思い出させてくれます。 当劇団を配信で観るのは2度目です。 下北沢の劇場に居るような雰囲気は伝わってくるが、しかし映像や音響の質は良くない。 暗くて狭い居間で上半身だけを映し場面ごとにフェイドイン・アウトを繰り返しダイジェスト版のように繋げていく。 余分な物・事が見えないので各々の恋愛関係がいつもより浮き出ていました。 二組の役者役と作者役が登場する劇中劇の構造が溶けていくような余韻も感じられた。 今、思い返すと舞台上では一度も氏名や渾名をいっていなかった!? あなた、お前、あいつ、大事な人、愛しい人・・・。 チェーホフの舞台で名前を言い合うと耳障りに聞こえる場合が多い。 ロシアの舞台全般に言える。 名前が無いと役者と観客の間が取り払われたような感触が得られます。 *第34回下北沢演劇祭参加作品. *劇団、 https://tokyo-novyi.com/home/2024-online-seagull/

■メディア

■作:エウリピデス,演出:レオニード・アニシモフ,劇団:東京ノーヴイ・レパートリ-シアタ- ■TNRT,2016.2.16-25 ■役者は顔の中心だけを白塗りにしている。 「アンティゴネ」と同じだ。 この白塗りは神妙不可思議な世界に連れて行ってくれる。 ただしメディアと乳母は塗っていない。 そのメディアは四つ這いで舞台を這い回り一度も二本足で立たない。 みつめる9人のコロスは遜色のない存在感で物語を区切っていく。   王クレソンと夫イアソンは舞台では出会わないし王娘グラウケも登場しない。 その分を含めてメディアと王クレソン、夫イアソンとの対話は簡素だが核心をついている。 メディアはイアソンの行動を一度は肯定するが結局はクレソンとその娘を毒殺し自身の息子二人も手にかける。 しかし彼女の血肉を伴う感情は欠片もみえない。 復讐心の凄まじさが静かに伝わってくるだけである。 事件は語られるだけだ。 メディアの叫びは静寂な空間に響いていくだけである。 *第27回下北沢演劇祭参加作品 *劇団、 http://tokyo-novyi.muse.weblife.me/japanese/pg553.html

(中止)■コーカサスの白墨の輪  ■馬留徳三郎の一日

□コーカサスの白墨の輪 ■作:ベルトルト.ブレヒト,演出:レオニード.アニシモフ,劇団:東京ノーヴィ.レパートリーシアター ■梅若能学院会館,2020.5.24 *劇団、 http://tokyo-novyi.muse.weblife.me/japanese/pg564.html □馬留徳三郎の一日 ■作:高山さなえ,演出:平田オリザ,出演:田村勝彦,羽場睦子,猪股俊明ほか ■座高円寺,2020.4.4-12 ■午後一番のメールで、「新型コロナウイルス感染拡大防止に関わる杉並区の方針に基づき、座・高円寺は4月12日(日)まで休館を継続することとなりました。期間中に開催される青年団プロデュース『馬留徳三郎の一日』公演は中止とさせていただきます・・」。 11本目の中止。 4月前半は全滅に近い。 *青年団プロデュース公演 *尼崎市第7回「近松賞」受賞作品 *劇場、 https://za-koenji.jp/detail/index.php?id=2285

■星の王子さま

■作:サン=テグジュペリ,演出:レオニード.アニシモフ,テキスト:アリエ.ヴァレ,ムーブメント:山本光洋ほか,劇団:東京ノーヴイ.レパトリーシアター ■東京ノーヴイ.レパートリーシアター劇場,2020.2.28-3.1 ■詩的な舞台です。 中世日本や古代中国の衣装を着て、暗い中をゆっくりと歩く役者にスポットを当て、発声は抑えて淡々と喋り、さり気なく形を見せる動きは様式の美学を感じさせます。 太夫らしき身なりの語り手が、下手に座って物語を進めていく。 王子だけ白マスクを被っての登場です。 合わせた白衣装がフランス映画で見るパントマイム芸人を思い出させてくれる。 上手に座っている音楽隊の着物も白系のようです。 「たいせつなことはね、目に見えないんだよ・・」。 科白の意味を全体の印象感覚から捕えようとしている。 原作を読んでジワッと感動していれば、その記憶が舞台印象と補足し合って深みが増すはずです。 先日の「 宣告 」とは逆ですね。 「読んでから観ろ、・・」が似合う舞台です。 *第30回下北沢演劇祭参加作品 *CoRich 、 https://stage.corich.jp/stage/102747

■コーカサスの白墨の輪

■作:ベルトルト・ブレヒト,演出:レオニード・アニシモフ,劇団:東京ノーヴイ・レパートリーシアター ■梅若能楽学院会館,2020.11.28-29 ■舞台は淡々と進んでいきます。 とても淡泊だが能を真似ているので違和感が少ない。 でも模倣にバラツキがあるので奇妙な場面はあります。 強いて真似る必要は感じられないが、しかし面白さは出ている。 衣装も舞台に溶け込んでいました。 原作は読んでいません。 上演2時間半の長さから原作に忠実な舞台のようです。 戦争、特に亡命の苦難が細かい描写にも色濃くでている。 舞台は何度か観ているがここは再発見ですね。 ブレヒトを重ねてしまった。 もう一つ、裁判官の歌唱が楽しい。 裁判中に酒をグビクビやるのは頂けないが。 能が絡むと物語に流れる時空が乾いた色になる。 それは詩に近づくようです。 *劇団、 http://tokyo-novyi.muse.weblife.me/japanese/pg564.html

■Idiotードストエフスキー白痴よりー

■演出:レオニード・アニシモフ,出演:東京ノーヴイ・レパートリーシアター ■東京ノーヴィ・レパートリーシアター,2012.2.3-5.27 ■列車内の青白い光の中の二人を凝視してしまった。 集中できる幕開けである。 そして赤い炎の暖炉に投げ込まれた札束をガーニャが拾えないで失神する場面も息を呑んだ。 観客席が2列で奥行きのない舞台は斑のある暗い光で深さを出している。 小説を知らないとムイシュキンがラゴージンやリザヴェータ、アグラーヤから何故に信頼を得られるのかが不可解なはずである。 しかもセリフをつっかえるムイシュキンを見てセリフも覚えていないのか!とみてしまうだろう。 本当にセリフを閊えたのか? 感動した小説の映画化・舞台化を観るのはとても注意が必要だ。 過去に読んだ小説を思い出し舞台と重ね合わせて一層の感慨に浸ることも可能である、がしかし多くは最悪である。 読んで感動したら観ない、観て感動したら読まないのが原則である。 一部科白の喋り方が面白い。 心の思いをセリフに出す時、急に舞台から降りてしまったような日常的な喋り方になる。 これで観客も舞台から遠ざかってしまい緊張を戻すのに苦労する。 コンパクトにまとまっていてリズムのあるいい芝居だった。 *劇団、 http://tokyo-novyi.muse.weblife.me/japanese/pg560.html

■アンティゴネー

■作:ソポクレス,演出:レオニード・アニシモフ,出演:東京ノーヴイ・レパートリーシアター ■東京ノーヴィ・レパートリーシアタ-,2016.2.18-27 ■「 曾根崎心中 」ではスーツ姿の役者を予想していたことを思い出した。 今回も予想が外れた。 なんと着物姿である。 箏や桶同太鼓も舞台に置いてある。 演奏者やコロスの歌唱も日本のようだ。 歌詞を覚えていないので題名が探せない。 喋り方も面白い。 抑えた裏声に聞こえる。 顔の中心だけの白塗りは仮面のようにも見えるし化粧にもみえる。 この劇団からはいつも驚きを貰える。 新王クレオンがアンティゴネ幽閉の決断を下す場面、盲目の預言者がハイモーンの将来を語る場面は抑えた声に緊張が走った。 しかし物語は淡々としている。 「私は憎しみより愛を選ぶ」とチラシにあったが、アンティゴネのこの言葉と共に息子の死を知ったクレオンの叫びも山彦のように聞こえ、そのまま時が何事も無く過ぎていく舞台であった。 近づくほどギリシャ悲劇は山彦になるのかもしれない。 *第26回下北沢演劇祭参加作品. *劇団、 http://tokyo-novyi.muse.weblife.me/japanese/pg555.html

■曾根崎心中

■原作:近松門左衛門,演出:レオニード・アニシモフ,劇団:東京ノーヴイ・レパートリ-シアタ- ■東京ノーヴィ・レパートリ-シアタ-,2015.2.25-3.1 ■ひょっとしたら役者はスーツ姿で登場するのでは? ・・時代や衣装は原作どおりだったのでちょっと残念。 この劇場は席が二列しかなくて横長である。 客席が舞台に張り付いているかのようだ。 この構造を役者も観客もとても意識する。 声の高低で距離の遠近を出したり舞台幅や照明で奥行や深みを表したりする。 くだけた近松門左衛門が登場して進行係を務める。 徳兵衛とお初が心中に向かって一直線に進んでいく。 脇の話は端折ったり人形劇で演じてしまう。 浄瑠璃を意識しているわけでもない。 心中ものはスピード感が大事なのだ。 これと違って大阪弁?の対話は風情があっていい。 時間がゆっくり進む。 この違った二つの時間が計算されていて心地よいリズムが舞台に現れる。 終幕の露天神も照明だけで感動に迫っている。 九平治とのやりとりに論理的矛盾があり感情を抜きにした抽象的表現の為か、二人に死ぬ理由が見えて来ないのは致し方ないのか? 舞台と客席だけではなく役者とも張り付いた空間は物語現場に一寸行ってきた感覚が残る。 *第25回下北沢演劇祭参加作品 *劇団、 http://tokyo-novyi.muse.weblife.me/japanese/pg554.html

■検察官

■作:ニコライ・ゴーゴリ,演出:レオニード・アニシモフ,劇団:東京ノーヴイ・アート ■梅若能楽学院会館,2021.12.4-5 ■チラシには笑劇と書いてある。 登場者の髪型や鬚をみてもそれが分かります。 地方の領主や小役人が都会から来た放蕩息子を監査人と間違えてしまう「間違いの笑劇」でした。 まるで日常から抜け出してきたような喋り方ですね。 役者たちが科白を喋っている感じがしない。 <静かな演劇>とは違う静けさがある。 この劇団の特長です。 しかも今回は関西弁(?)ときている。 そして舞台は漫才を次々と繋げていくような流れになっている。 例えば市長と病院長、市長と判事、市長と郵便局長、市長と妻、妻と娘等々、漫才大会ですね。 変わった舞台でした。 静かな笑いがあった。 この劇団からはいつも驚きをもらいます。 *CoRich、 https://stage.corich.jp/stage/11584

■銀河鉄道の夜

■作:宮沢賢治,演出:レオニード・アニシモフ,出演:東京ノーヴイ・レパートリーシアタ- ■TNRT劇場,2016.12.15-17 ■ジョバンニと出会った人々の死を通して「本当の幸い」が薄暗い照明の中で次第に見えてくる舞台でとても素晴らしかった。 奥行の無い劇場だから大袈裟な台詞や動きはできない。 これも作品を良い方向に動かした。 キリスト教が前面に出ていたけど素直な中身で嫌味がない。 死を見つめる静寂さが響き渡り久しぶりの感動に浸ることができたわ。 終幕カムパネルラの死をジョバンニの再生に繋げる演技が少しでも感じ取れたらより深みが出たとおもう。 *劇団、 http://tokyo-novyi.muse.weblife.me/japanese/pg556.html

■チェーホフ桜の園より

■原作:A・チェーホフ,演出:レオニード・アニシモフ,出演:東京ノーヴイ・レパートリーシアター ■梅若能学院会館,2018.5.26 ■幕が開くまでどのような舞台になるのかイメージが湧かなかった。 能舞台を借りて「桜の園」を普通のように演じるのかな? しかし驚きのハズレだ。 役者の発声や摺足まで能を真似ている。 地謡も登場する。 能の雰囲気が漂っているが、もちろん能ではない。 科白と科白の間が生きている。 その空白は役者の身体に語らせるからだ。 和服のようにみえる衣装も素晴らしい。 アジア折衷衣装と言ってよい。 唸り声を静かに発しながら徘徊する爺やがまた面白い。 ほぼ舞踏だ。 橋掛かりでは、役者が別世界からやって来て再び帰っていくようにみえた。 そして少しずつ舞台に引き込まれていく。 前半の領主婦人と養女の喋り方が少し遅く少し高過ぎて違和感があった。 後半は良くなる。 それと商人が早足になった場面、また領主婦人と大学生の恋愛についての感情的な問答は折角の能的リズムが壊れてしまった。 感情的なところは別方法を考えてもよい。 この延長として娘と商人の結婚話が壊れる大事な場はもっと緻密な計算が必要だと思う。 終幕の爺やは徘徊を止め皆の後ろ姿を見送るだけでよい。  今日はいつも以上にチェーホフの色々なことを考えてしまった。 予想外の楽しさが詰まっていたからである。 *2018年ロシア文化フェスティバル参加作品 *劇団、 http://tokyo-novyi.muse.weblife.me/japanese/index.html

■2024年舞台映像ベスト10

*映像(映画・配信など)で観た舞台公演から最良の10本を選択. 並びは観賞日順. ■ 唐茄子屋、不思議国之若旦那   演出:宮藤官九郎,劇場:平成中村座 ■ アマゾンのフロレンシア   演出:メアリー・ジマーマン,指揮:ヤニック・ネゼ=セガン,劇場:メトロポリタン歌劇場 ■ ロメオとジュリエット   演出:トマ・ジョリ,指揮:カルロ・リッツィ,劇場:パリ・オペラ座バスチーユ ■ かもめ   演出:レオニード・アニシモフ,劇団:東京ノーヴエイ・アート ■ ワーニャ   演出::サム・イェーツ,劇団:ロイヤル・ナショナル・シアター ■ ザ・モーティヴ&ザ・キュー   演出:サム・メンデス,劇団:ロイヤル・ナショナル・シアター ■ ナイ、国民保健サービスの父   演出:ルーファス・ノリス,劇団:ロイヤル・ナショナル・シアター ■ 蛮幽鬼   演出:いのうえひでのり,出演:劇団☆新感線 ■ 魔弾の射手   演出:フィリップ・シュテルツル,指揮:エンリケ・マッツォーラ,主催:ブレゲンツ音楽祭2024 ■ グラウンデッド、翼を折られたパイロット     演出:マイケル・メイヤー,指揮:ヤニック・ネゼ=セガン,劇場:メトロポリタン歌劇場 *今年の舞台は,「 2024年舞台ベスト10 」. *今年の能楽は,「 2024年能楽ベスト3 」. *今年の美術展は,「 2024年美術展ベスト10 」.

■源氏物語

■原作:紫式部,演出:レオニード・アニシモフ,台本:中澤由佳,出演:安部健,麻田枝里,大坂陽子,岡崎弘司ほか,劇団:TOKYO・NOVYI・ART トーキョウ・ノーヴェイ・アート ■梅若能楽学院会館,2025.5.11 ■どのような舞台かな? タイトルでは想像できない。 楽しみですね。 おや? 会館前に新しいビルが建っている! レストランも入っている。 でも会館は変わっていない。 先ずは20人くらいの役者が登場し舞台に座る。 ほぼ座ったままです。 女性陣は白化粧が厚い。 そして客席を背にしているので長い髪が目立つ。 男性たちは地謡座に陣取り演奏などを担当する。 衣装以外は略素顔です。 脇座前に進行役の桐壺宮が座り何か書いている。 いや、紫式部かもしれない。 そして「桐壺」から始まる。 帖の順番は憶えていないが「帚木」「空蝉」「夕顔」・・と続く。 帖あたり7分くらいか? 飛ばした帖も沢山ある。 「まぼろし」「くもがくれ」まで続いたでしょうか? 科白は淡々とゆっくりと喋ります。 帖ごとの女主人公は人形のように機械的に微妙に動く。 表情もそれに合わせている。 そして科白の後に歌を披露する。 この歌が効いていましたね。 驚きは光源氏が実役者として登場しなかったことでしょう。 これで女主人公の存在が際立ち、しかも容易に抽象化できた。 この劇団らしい舞踏的舞台です。 台詞は要約で解説的に聴こえる。 源氏物語の全体を掴もうとしたところは面白い。 でも粗筋の域を出ない。 源氏物語を読んでいることが条件かもしれない。 過去に読んだ内容と役者を重ね合わせて物語を膨らませる。 このような舞台でしょう。 *CoRich、 https://stage.corich.jp/stage/373622

■ワーニャ伯父さん

■作:A・チェーホフ,演出:レオニード・アニシモフ,出演:藤田泰介,柴田真孝,西川真生ほか,インターナショナル・スタニスラフスキー・アカデミー7期生 ■WEB配信(東京ノーヴイ・レパートリーシアター,2021.2収録) ■息詰まる密室劇ですね。 カメラの動きがほぼ固定で背景が黒ですから尚更でしょう。 役者の喋り方が独特です。 状況説明はいつもの家族団欒での会話のようで飲食場面も気にならない。 しかし物語を動かす科白は棒読みを感じる。 そして独白場面は緊張感がでていた。 この三つの喋り方が混ざり合うと劇の境界線が揺れ動くのです。 劇団が持つ劇的さは無いがとても面白く観ることができました。 医師アーストロフのソフィアへの心の動き、エレーナのワーニャとアーストロフへの愛の動きが単線なのは脇道だからでしょうか? チェーホフの舞台は観る都度、時の流れに消えていった出会いと別れを思い出させてくれます。 *東京インターナショナル・スタニスラフスキー・アカデミー7期生公演 *第31回下北沢演劇祭参加作品 *下北沢演劇祭、 https://engekisai.com/31_tokyonovyi/?_fsi=nKXZbE3z