■ワーニャ伯父さん

■作:A・チェーホフ,演出:レオニード・アニシモフ,出演:藤田泰介,柴田真孝,西川真生ほか,インターナショナル・スタニスラフスキー・アカデミー7期生
■WEB配信(東京ノーヴイ・レパートリーシアター,2021.2収録)
■息詰まる密室劇ですね。 カメラの動きがほぼ固定で背景が黒ですから尚更でしょう。
役者の喋り方が独特です。 状況説明はいつもの家族団欒での会話のようで飲食場面も気にならない。 しかし物語を動かす科白は棒読みを感じる。 そして独白場面は緊張感がでていた。 この三つの喋り方が混ざり合うと劇の境界線が揺れ動くのです。 劇団が持つ劇的さは無いがとても面白く観ることができました。
医師アーストロフのソフィアへの心の動き、エレーナのワーニャとアーストロフへの愛の動きが単線なのは脇道だからでしょうか? チェーホフの舞台は観る都度、時の流れに消えていった出会いと別れを思い出させてくれます。
*東京インターナショナル・スタニスラフスキー・アカデミー7期生公演
*第31回下北沢演劇祭参加作品