■Mirroring Memories それは導き光のごとく

■演出:金森穣,出演:金森穣,Noism1
■東京文化会館・小ホール,2018.4.28-30
■全12章から成り、新作は2本(章)で他の10章は2008年以降に発表した作品から黒衣のシーンを選びオムニバスにしてある。 1時間の上演だから1章が5分前後よ。
最初の0章は新作でベジャールの写真が背景に写し出される。 金森穣のソロで衣装は白。 次章からは歌舞伎や人形浄瑠璃に出てくる無の象徴ともいえる黒子も登場する。 でも黒子はダンスだと<無>ではなく<死>を意識してしまう。 この意識の違いはダンスに宗教性を感じさせるからだと思う。 最後の11章も新作で0章の対になっていて金森を含め3人のダンサーが宗教的雰囲気で締めくくるの。 重厚な音楽が章を結び付けて一つの作品として巧く仕上がっている。 ベジャール物語舞踊のオマージュとも言えるわね。  
小ホールは舞台が狭い。 しかも金森穣は思ったより身長がある。 小柄な女性ダンサーは伸び伸び踊ったけど男性は少し窮屈かしら? このため動きが喜劇的に感じるの。 しかも場面切替が速くて黒衣の深淵へ降りていくことができない。 ホールや会館周辺はゴールデンウィークとバレエホリデイで大変な混み様! 黒衣的雰囲気が保てなかったのは仕方がないわね。
*チラシ、http://noism.jp/wp2015/wp-content/uploads/Noism1_Mirroring_Memories_A4.pdf