■セミラーミデ

■作曲:ジョアキーノ・ロッシーニ,指揮:マウリツィオ・ベニーニ,演出:ジョン・コプリー,出演:アンジェラ・ミード,イルダール・アブドラザコフ,ハヴィエル・カマレナ,エリザベス・ドゥショング他
■新宿ピカデリー,2018.4.14-20(MET,2018.3.10収録)
■ロッシーニのオペラ・セリアでは一番の荘厳さを持っているかもしれない。 タイトルロールがアンジェラ・ミードだから余計にそうなるの。 2時間もある一幕序曲からグングン集中できる。 歌唱が始まりキャスト5人の聴き応えは満足度120%ね。 歌手は舞台で殆んど動かない。 存在感は身体ではなくて流れる声で形成されていく。
物語はギリシャ悲劇から借りてきたみたい。 バビロニア女王セミラーミデが愛した若き軍人アルサーチェは彼女と前王との息子なの。 しかもアルサーチェはズボン役。 でもエリザベス・ドゥショングだからあまり意識しない。 「オイディプス」と違い先王を殺したのは母であり最期に母は息子に殺される・・。
二幕は80分だけどさすが聴き疲れがでてくる。 いつものロッシーニ得意の明朗快活さが無いこともあるわね。 MET25年ぶりの再演らしいけど歌唱技術の難しさから上演されなかったと聞いている。 ロッシーニはこの作品に根(こん)を詰め過ぎたとおもう。 この詰めが疲れを呼び寄せるのね。
*METライブビューイング2017作品
*作品サイト、http://www.shochiku.co.jp/met/program/85/