■ハムレットマシーン (HMフェスティバル2日目)

■d-倉庫,2018.4.7-8
■演出:カワムラアツノリ,劇団:初期型
■コンピュータ分野での「初期」はリセットの意味合いが強い。 今回この劇団を初めて観て正に初期化を感じました。 しかも型にしている!?。 役者の一人が裸のもう一人のオチンチンを後ろから手を伸ばして隠している姿は人形遣いと人形そのものです。 この二人の姿こそリセットをし続けるハムレットマシーンにみえました。
そしてハムレットが父に対してこんなにも多くを費やすのか?という疑問が甦ってきた。 「ハムレット」を好きになれないのは実は父を想うハムレットがよく分からなかったからです。 正義の家系や正義の戦争が無くなった現代では男が父を語ることもまず無い。 二人の役者が語る父の姿は惨めですがほっとします。
「・・対人間は演劇で、対宇宙はダンスだ」と書いてあったが、役者たちが輪に座って声を出す姿は人間と宇宙を融合する姿にみえました。 この二つの混ざり合いが面白かった。
■演出:身体の景色,ドラマターグ:田中圭介,音楽:松田幹,劇団:身体の景色
■フェスティバルは毎回二本立てのようです。 今日の二本目は「身体の景色」。 変わった名前ですね。 作品タイトルだと勘違いしていた。 舞台は暗くて着物姿そして玉音放送や銀座ブギウギが流れてくる。 ハムレットの周りに6人ほどのオフィ-リアが倒れていて次々と演技をしていく。 腹の奥から出す声に特徴があります。 重みのある舞台にみえました。 「ハイナー・ミュラーの言う減速に共感する」と演出家?は言っている。 演出家はこれを「簡素・静寂・余白」で表現しようとしているようだがよく分からなかった。 減速が加速と表裏の関係であることも分かり難い理由かもしれません。
*「ハムレットマシーン」フェスティバル参加作品
*劇場サイト、http://www.d-1986.com/HM/index.html