■ハムレットマシーン (HMフェスティバル3日目)

■d-倉庫,2018.4.10-11
■演出:深谷正子,出演:ダンスの犬ALL IS FULL
■2メートルもあるヴァギナの模型がデーンと舞台に置いてある。 そしてアベ・マリアの歌に乗って5人の女性ダンサーたちが登場する。 が、なんと!ダンサーの胸にはオッパイが30cmも垂れさがっている。 しかも足に紐をつけコーラ瓶を引きずりながら踊り出すのです。 振付は原始的な激しさを含んでいます。 舞台を見つめていると人類というものを感じますね。 それは女、人間、雌、ヒトと順番に壊れていき人類へと行き着く。 この広がりはヴァギナと乳房を模型ですが包み隠さず出したからでしょう。 見ていると生殖を意識し出すからです。 とちゅう乳房を交換します。 やはり垂れ下がっているが先がふっくら饅頭のようです。 音楽はダンスに寄り添い順調でしたが、それを破って歌謡曲「おふくろさん」が流れて来る。 これには参りました。 地球規模まで広がった人類が日本の母と子の狭い世界に縮んでしまった。 終幕、ダンサーたちはヴァギナを通過する・・。 現代日本の女性からみた<ハムレット>があからさまに表現されていました。
■演出:長堀博士,劇団:楽園王
■劇場を訪れた男が役者を演ずる場面から入ります。 その前に役者に変身しようとしている女の口上があったことも思い出した。 遣り取りをみていると劇中劇の様子です。 途中観客席にいた役者を舞台ひ引きずり出し劇中の劇に参加させる。 この劇団はト書きと科白を分けて演ずるなど劇構造がとても豊かです。 今回も重層的ですがしかし、劇的に繋がらない。 作品の言葉と真面目に格闘し出すと冴えてしまい劇的から遠ざかるような気がします。 「ハムレットマシーン」は演出家や劇団の特徴を露わにしますね。 ところで化粧をしたハムレットの死が濃く表れている顔色はとてもよかった。
*「ハムレットマシーン」フェスティバル参加作品
*劇場サイト、http://www.d-1986.com/HM/index.html
*「このブログを検索」語句は、 長堀博士