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■NHKバレエの饗宴2016

■指揮:園田隆一郎,演奏:東京フィルハーモニー交響楽団 ■NHK・Eテレ,2016.5.22(NHKホール2016.4.10収録) ■「レ・ランデヴ」,振付:F・アシュトン,出演:小林紀子バレエ・シアタ これは爽やかな舞台だ。 端として申し分ない。 そしていつものことだがカメラワークがいい。 舞台全体と部分のどちらもしっかりと撮影し対象をじっくりと見させてくれる。 客席に座っているようだ。 さすがNHKである。 ■「オセロ」,原案:W・シェイクスピア,音楽:A・G・シュニトケ,振付:日原永美子,出演:谷桃子バレエ団 新作らしい。 振付家も自慢していたが音楽が心理状況に上手く寄り添っている。 しかしダンサーたちの喜怒哀楽が大げさにみえる。 短い時間で巧くまとめた反動かもしれない。 ここはもっと抑えて身体に比重を移したほうがよいと思うが・・。 ■「モーツァルト・ア・ドゥから」,振付:T・マランダン,出演:橋本清香,木本全優 マランダンと海外バレエ団で活躍中二人の組み合わせは普段見られないので貴重だ。 ■「ゼンツァーノの花祭りから」「ナポリから」,プロデュース:M・ルグリ,出演:未来のエトワールたち 若いダンサーたちの踊り難そうな振付部分がわかるから素人がみると参考になる。 ■「リラの園」,振付:A・チューダー,音楽:A=E・ショーソン,スターダンサーズ・バレエ団 プレパラシオンのない動きは舞台芸術の基本だとおもう。 感情は微分化されるのであとに残らない。 先ほどみた「オセロ」はこの逆である。 感情を積分化している。 これで過剰を招き寄せてしまった。 能楽の面などは微分し続けている表情である。 今回の6作品中で一番気に入った。 ■「くるみ割り人形からグラン・パ・ド・ドゥ」,振付:P・ライト,出演:平田桃子,S・モラレス 平田桃子をトリに持ってきた順序は見事である。 彼女は瞬間瞬間に1/100秒の余裕を持って踊り続けている。 やはり微分化である。 これが観る者にバレエの楽しさと豊かさを伝えてくれる。 日常とは積分化することである。 舞台は非日常に向かってほしい。 *2016.6.19追記、 「夢をかなえるアン・ドゥ・トロワ、ルグリと目指せバレエの饗宴」をEテレ再放送で観る。 「NHKバレエの饗宴2016」に...

■NHKバレエの饗宴2025

*下記□の6作品を観る. ■指揮:井田勝大,管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団 ■NHK,2025.3.23(NHKホール,2025.2.1-2収録) □「白鳥の湖」第2幕■振付:マリウス・プティバ,レフ・イワノフ,演出:三谷恭三,音楽:P・チャイコフスキ-,出演:秦悠里愛,小池京介,米倉太陽ほか,舞団:牧阿佐美バレエ団 □「ラ・シルフィード」からパ・ド・ドゥ■振付:オーギュスト・ブルノンヒヴィル,音楽:レーヴェンスヨルド,出演:前田紗江,中尾太亮 □イサドラ・ダンカン風のウラームスの5つのワルツ■振付:フレデリック・アシュトン,音楽:J・ブラームス,出演:佐久間奈緒,ピアノ:佐藤美和 □「椿姫」から3つのパ・ド・ドゥ■振付:山本康介,音楽:F・リスト,出演:中村祥子,厚地康雄,ピアノ:佐藤美和 □「ロメオとジュリエット」バルコニーのパ・ド・ドゥ■振付:ケネス・マクミラン,音楽:S・プロコフィエフ,出演:高田茜,平野亮一 □コンサート■振付:ジェローム・ロビンス,音楽:F・ショパン,出演渡辺恭子,林田翔平,中川郁ほか,舞団:スターダンサーズ・バレエ団,ピアノ:本田聖嗣 ■重量級の「白鳥の湖」を最初に持ってくるとは! 調子が狂ってしまった。 部分上演のため演目は吟味したほうがよい。 「ラ・シルフィード」の中尾太亮が若さを発散していましたね。 「椿姫」が一番気に入りました。 山本康介の振付が効いていた。 ストーリーもメリハリがあった。 ダンサーの二人も物語的に似合っていた。 衣装も良い。 「コンサート」は初めて観る作品です。 コメディバレエとは珍しい。 楽しく締めることができました。 *NHK、 https://www.nhk-p.co.jp/ballet/ *「ブログ検索🔍」に入れる語句は、NHKバレエの饗宴 ・・ 検索結果は8舞台 .

■NHKバレエの饗宴2024

■指揮:井田勝大,演奏:東京フィルハーモニー交響楽団 ■NHK・配信,2024.3.24(NHKホール,2024.1.27収録) *下記の□5作品を観る. □ルール・ブルー ■振付:イリ・ブベニチェク,音楽:J・S・バッハ他,舞団:東京シティ・バレエ団 ■初めて出会う振付家です。 奇抜さは無い。 動作は大きくもなく速くもない。 バレエ3割ダンス7割の比率ですか? 幾つもの(絵画の)額縁が登場します。 小さな額縁は持って踊る。 薔薇や剣も持つ。 「・・黄昏時にルーブル美術館に飾ってある中世絵画から抜け出した人物たちの恋愛を描いている」。 プレトークで振付家が言っていましたね。 よくある物語だが起伏に富みまとまっていました。 選曲は凡庸だが、ピアノの爽快さから弦楽器の深みへ進む流れが飽きさせない。 □眠れる森の美女-グラン・パ・ド・ドゥ- ■振付:コンスタンチン・セルゲーエフ,出演:永久メイ,フィリップ・スチョーピン,舞団:マリンスキー・バレエ団 ■二人は落ち着いていました。 力量が見えてきます。 永久メイの関節を意識した動きが面白い。 □くるみ割り人形-グラン・パ・ド・ドゥ- ■振付:ピーター・ライト,出演:ワディム・ムンタギロム,金子扶生,舞団:英国ロイヤル・バレエ団 ■二人は貫禄十分です。 安心して観ていられる。 チャイコフスキーを聴くと一気にバレエの世界へ入っていけます。 □幻灯 ■振付:小尻健太,音楽:リヒター(ヴィヴァルティに基づく),出演:中村祥子,小尻健太 ■「人生の節目だ」。 プレトークでの二人の言葉です。 まさに人生の折り返し点の一幕でしょう。 音楽が二人に寄り添っている。 美術と照明は暗いが希望がみえる。 振付も落ち着いていた。 大人の味が出ていました。 □ドン・キホーテ-第3章- ■振付:アレクセイ・ファジェーチェフ,音楽:L・ミンクス,出演:米沢唯,速水渉悟ほか,舞団:新国立劇場バレエ団 ■トリを飾るにふさわしい。 ダンサーたちも最高です。 衣装や美術も素晴らしい。 整然と規律あるところにこの舞団の特徴が現れていた。 米沢唯は知っていたが、いつのまにか知らないダンサーが増えましたね。 新旧交代が激しいのでしょう。 ひととおり観て、気に入った作品は「幻灯」、気に入った振付は「ルール・ブルー」でし...

■NHKバレエの饗宴2018

*以下の□4作品を観る。 ■指揮:井田勝大,管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団 ■NHK・Eテレ,2018.5.20(NHKホール,2018.4.7収録) □「くるみ割り人形第2幕から」,振付:ウェイン・イーグリング,音楽:チャイコフスキー,出演:木村優里,井澤駿,新国立劇場バレエ団 ■シーズン作品の中から選ぶので「くるみ割り人形」になったのだろう。 今季作品の中では平凡だが妥当かもしれない。 ディヴェルティスマンのため夫々の場面を観客は楽しめる。 気に入ったのは「花のワルツ」。 一番バッターだから賑やかの方がよい。 □「Chimaira/キマイラ」、振付:平山素子,出演:小尻健太,鈴木竜,堀田千晶,平山素子 ■これは面白い! インタビューで平山は「・・現れ、解体し、違う何かに変わっていく」と解説している。 例えば組体操が崩れてしまったような、4人が喧嘩をしているような、・・ような。 一瞬「・・ような」意味が見えるが直ぐに消えていく。 身体も意味も流れとともに変容していく。 新作初演らしいが驚きの振付だった。 脳味噌が久しぶりにビビッと来た。 □「Flowers of the Forest」,振付:デヴィッド・ビントレー,音楽:アーノルド・ブリテン,出演:吉田都,マティアス・ディングマン,渡辺恭子,池田武志,スターダンサーズ・バレエ団 ■「多彩なステップで描き出すスコットランドの光りと影」とある。 背景の空模様は重く暗い。 男性衣装のガウンも見た目に重く感じる。 後半、光りと影が混ざり合い音楽のリズムに乗って重さは恍惚感を伴ってくる。 バレエを観る愉しみがあった。 □「ラ・バヤデールから影の王国」,振付:ナタリア・マカロワ,音楽:ミンクス,出演:上野水香,柄本弾,東京バレエ団 ■作品の佳境だが抜粋のため物語には入り難い。 でもバレエらしいバレエで幕を閉じたかったのは分かる。 みる機会が少ない人にはよいかもしれない。 フィナーレで上野水香は木村優里の挨拶を見つめていたが彼女のクララをどう見ただろうか?

■バレエの王子になる! 世界最高峰、ロシア・バレエ学校の青春

■制作:NHK,語り:原田美枝子 ■NHK,2019.9.7 ■昨年に録画したのを観たのですが納得のドキュメンタリー番組でした。 ワガノア・バレエ・アカデミー男子生徒の数名にフォーカスをあて、練習風景や寮生活を映しながら国家試験、就職試験、卒業公演に迫っていく。 校長は元ボリショイバレエ団ソリスト、ニコライ・ツィスカリーゼ。 「気品あるオーラと堂々とした表現で観客には光輝く泡しかみせてはいけない」。 校長の言葉ですがその通りですね。 すべての舞台芸術に言える。 劇場に光輝く泡を観に行くのです。 ダンサーの国家試験があるとは流石ロシアです。 プロを育成するシステムが出来ている。 12の試験プログラムを熟さなければならない。 そして就職試験へ・・、幾つかのバレエ団のオーディションを受けます。 学校の成績は略関係ない。 生徒の一人は国立モスクワ音楽劇場を落ちてしまった。 即戦力も求められます。 校長は言う、「パリオペラ座、ボリショイ、マリンスキーの3つだけ! これ以外のバレエ団への就職は裏街道の人生だ!」。 厳しい。 多くの生徒はマリンスキーを目指します。 卒業公演はマリンスキー劇場で4日間かけて行う。 成績上位のダンサーが主役を務めるのはどこも同じですね。 そして目出度く卒業です。 学校生徒は10歳から18歳の全400名弱。 卒業までに半分以上は脱落するそうです。 この2月末に東京で「世界名門バレエ学校の饗宴」が開催されます。 ニコライ・ツィスカリーゼ校長も来日してクラスを公開するらしい。 楽しみですね。 *NHKサイト、 https://www4.nhk.or.jp/P6071/

■NHKバレエの饗宴2014

■指揮:大井剛史,演奏:東京フィルハーモニー交響楽団 ■NHK・Eテレ 去年が面白かったので今年も観てしまった。 NHKの映像・音響は技術も技能も確かである。 近頃舞台作品を映画などでよく観るがNHKよりも質が落ちる。 今年は6作品を上演。 気に入った作品は残念ながら無かった。 ■ 「スコッチ・シンフォニー」、振付:G・バランシン、音楽:F・メンデルスゾーン、出演:スターダンサーズ・バレエ団 バランシンとメンデルスゾーンの組合せは初めてかな? ダンサーを通しての音楽は良かった。 でもダンサーとバランシンの関係は平凡に感じた。 振付・音楽・ダンサーの組合せに何かが不足しているようだ。 うまく表現できないが・・ ■ 「3月のトリオ」、音楽:J・S・バッハ、チェロ演奏:古川展生、振付・出演:島地保武・酒井はな 振付は面白い。 島地の動きが良い。 酒井は一歩退いているようだ。 この為二人の関係が少し疎遠にみえる。 チェロが粘っても二人の心は近づかない。 これで彼らが対等になったら作品は完成だろう。 ■ 「THE WELL-TEMPERED」、音楽:J・S・バッハ、ピアノ演奏:若林顕、振付・出演:首藤康之、中村恩恵 二人の精神は親密だ。 神聖さも漂っている。 前作品の島地と酒井の固さが再び過る。 上演企画者は「3月のトリオ」と比較しろと言っているようにみえる。 振付は「3月のトリオ」の方が新鮮味があった。 ■ 「ドン・キホーテ第1幕」、原振付:M・プティパ、演出:貝松正一郎、出演:貝松・浜田バレエ団 初めて見るバレエ団である。 群衆も衣装も振付もこのゴチャゴチャしたところが、なるほど大阪を感じる。 繁華街の道端で上演しているようで楽しい。 ■ 「ラ・シルフィードからパ・ド・ドゥ」、振付: A ・ブルノンヴェル、音楽:H・レーヴェンショルド、出演:吉田都、F・バランキェヴィッチ 吉田はまさに自然体といってよい。 <悟りを開いている>ようにみえる。 相棒のバラキュヴィッチは人工体だ。 残念ながら悟りを開くには程遠い。 ■ 「ベートーヴェン交響曲第7番」、振付:U・ショルツ、出演:東京シティバレエ団 いわゆるシンフォニック・バレエというものらしい。 しかしこの曲はリズムはあるが機械というものを思い出してしまう。 つまり...

■NHKバレエの饗宴2017

■指揮:園田隆一郎,演奏:東京フィルハーモニー交響楽団 ■NHK・Eテレ,2017.5.21(NHKホール,2017.4.8収録) ■「ナポリ3幕からパドシス,タランテラ,フィナーレ」,振付:A・ブルノンヴィル,音楽:ヘルステッド他,出演:井上バレエ団 ■衣装はアルプス風だがナポリへ行ったことがないので風景が読めない。 タンバリンや箒のようなポールを持つからヨーロッパの村祭りにもみえる。 心が和む舞台である。 振付は細かいけれど淡泊である。  ■「死の島」,振付:森優貴,音楽:ラフマニノフ,出演:貞松・浜田バレエ団 ■暗くて舞台全体が見えない。 どのような照明か感じ取れない。 雰囲気や息遣いが映像では伝わらない典型的な舞台だろう。 勅使川原三郎のカラスを思い出してしまった。 振付は振幅があり彼らより大らかである。 いま上演しているなら取り敢えず劇場へ駆けつけたいくらいだ。 ■「テーマとバリエーション」,振付:G・バランシン,音楽:チャイコフスキ,出演:新国立劇場バレエ団 ■音楽と同期が取れていて心地よさを感じる。 ダンサーは重量感がある。 その重力に逆らうリフトは計算され尽くしていて感動を覚える。 バランシンを選んだ理由も納得できる。 パリオペラ座、ボリショイバレエ、ロイヤルオペラなど有名なバレエ団を思い浮かべる時に所属する国はあまり意識しない。 このバレエ団も名前は良くないが国を忘れることができる。 他のバレエ団はどこか日本を感じてしまう。 ■「眠りの森の美女から3幕」,振付:T・ウエストモーランド,音楽:チャイコフスキ,出演:牧阿佐美バレエ団 ■微妙な面白さのある振付である。 ユーモアと言うよりウィットを感じる。 全体にオットリしている。 今年は4作品で少ない。 時代は違うがこれも日常世界を見つめる平凡さが背景に感じられる。 その世界も大事だと言っているようだ。 そして毎度のことだがカメラワークがいい。 テレビの前の観客に負担をかけない映像である。

■NHKバレエの饗宴2015

■指揮:園田隆一郎,演奏:東京フィルハーモニー交響楽団 ■NHK・Eテレ,2015.4.12 4作品(下記の□)で 昨年の同番組 より絞り込んでいる。 それぞれが競合しないので作品の特長がよく見える。 しかも流れに起承転結を意識でき日本バレエの一つの断面を見せてくれた。 企画が練れていたと言ってよい。 □パキータ ■振付:M・プティバ,出演:牧阿佐美バレエ団 ■日本的な雰囲気が微かに感じる。 手首から指先にそれが表現されている。 スペイン風衣装がこれとまざりあっていてヨーロッパからずれた面白さがある。 楽しく観ることができた。 □SUPERNOVA ■振付:金森穣,音楽:黛敏郎,出演:NOISM1,渡辺玲子(バイオリン) ■ダンサーたちの距離感が絶妙である。 スパイダーマンのようなネットリした動きがバイオリンと同期している。 顔を隠す衣装が人形を連想して人間世界から離れていく感覚が出ている。 生の舞台で観てみたい。 □「カルメン」から抜粋 ■演出:篠原聖一,出演:下村由理恵バレエアンサンブル ■ドラマチックバレエ?はあまり見たことがない。 大筋は知っているが感情表現が連続しているので意味を追ってしまいダンスの楽しさが減ってしまった。 もっと概略化してもよいとおもう。 □「眠りの森の美女」から第3幕 ■振付:WW・イーグリング,出演:新国立劇場バレエ団 ■これは素晴らしい。 パワーを隠し、技で勝負している。 バレエを観る喜びを教えてくれる。 初台を離れると全力を出し切ってくれる。

■シネマトダンスー3つの小品  ■Farben

■彩の国さいたま芸術劇場.大ホール,2020.1.17-19 □シネマトダンス-3つの小品 ■演出:金森穣,衣装:堂本教子,映像:遠藤龍,出演:Noism1,井関佐和子,山田勇気,金森穣 ■小品の3つは「クロノスカイロス1」「夏の名残のバラ」「FratresⅡ」。 どれも舞台にカメラを載せてリアルタイムで背景に映写する方法を取る。 「クロノスカイロス」はアスリートたち?が走り回り立ち止まり踊る、スピード感のある舞台だ。 タイトルからみて時間と時刻を表現しているらしい。 音楽がバッハだったがダンスに合っていない。 無機質な音楽を使っても面白いとおもうが。 リアルタイムでダンサーの走り回る姿をデジタル時計と共に背景に映し出していた。 「夏の名残のバラ」はカメラマン山田勇気がダンサー井関佐和子について回りデュオとして踊る場面もある。 踊る時はカメラを床に置く。 カメラ動作が密着していて新鮮だった。 この作品は井関が地下の化粧室にいる場面から映し始める。 「中国人の不思議な役人」「マッチ売りの話」のポスターや古びた胴体だけのマネキンも写し出され寺山修司の世界に入り込んだような映像に感激してしまった。 タイトルの歌詞もなかなか良い。 「Fratres」は金森穣のソロだが背景にもう一人のダンサーの影が写り同じ動作をする。 激しい動きもあるが僧が修行をしているようだ。 影が彼の分身にもみえて哲学的宗教的な雰囲気が感じられる。 「映像の力を借りるのではなく、映像の力と拮抗すること」(金森譲)。 観ている時は舞台の流れに身を任せるが彼の映像はとても凝っているのが分かる。 後者2作品は映像と舞台はまさに拮抗をしていて切り離せない。 □Farben ■演出:森優貴,衣装:堂本教子,出演:Noisum1,井関佐和子 ■森優貴は「 NHKバレエの饗宴2017 」に登場している。 暗さのある舞台、動きのある振付になっている。 12名のダンサーは群になり体を捻じれさせ苦しみ悶えているようにみえる。 彼の舞台は文学舞踊劇と言われているがナルホド面白い名称だ。 衣装はモノトーンで上白下黒、小道具の机も黒、そこに花瓶の花束や鉢植えの木葉などを置く。 しかし花や木をみると戸惑ってしまう。 ダンスが瞬断され意味を追ってしまうからだ。 鞄から旅も意識する。 ストーリーも感じられるが身体...

■NHKバレエの饗宴2022

*以下の□7作品を観る。 ■指揮:冨田実里,管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団 ■NHK・配信,2022.9.18(NHKホール,2022.8.13収録) □パ・ド・カトル Pas de quatre■振付:アントン・ドーリン,音楽:プーニ,出演:中村祥子,菅井円加,永久メイ,水谷実喜 □バリエーション・フォー・フォー Variations for four■振付:アントン・ドーリン,音楽:キーオ,出演:厚地康雄,清瀧千晴,猿橋賢,中島端生 □牧神の午後への前奏曲■振付:平山素子,音楽:ドビュッシー,出演:小尻健太,柴山紗帆,飯野萌子,フルート:高木綾子 □ウェスタン・シンフォニー■振付:ジョージ・バランシン,音楽:ケイ,出演:スターダンサーズ・バレエ団 □「ロメオとジュリエット」からバルコニーのパ・ド・ドゥ■振付:レオニード・ラヴロフスキー,音楽:プロコフィエフ,出演:永久メイ,ビクター・カイシェタ □「ドン・キホーテ」からグラン・パ・ド・ドゥ■振付:マリウス・プティバ他,音楽:ミンクス,出演:菅井円加,清瀧千晴 □アンダンテ Andante■振付:金森穣,音楽:バッハ,出演:中村祥子,厚地康雄,バイオリン:小林美樹 ■幕開き2作品「パ・ド・カトル」と「バリエーション・・」のダンサーを「ロメオとジュリエット」「ドン・キホーテ」「アンダンテ」にも出演させる構造になっている。 コロナ禍の都合もあったのだろう。 国内外で活躍しているダンサーをじっくりと見せてくれた。 アンドレ・ドーリンは初めて聞く振付家だ。 落ち着いていて、そこに豊かさもみえる。 ソロを重視しているが、でも全体への繋がりは雑だ。 気に入ったのは「ロメオとジュリエット」。 ビクター・カイシェタのダイナミックさと永久メイの繊細さが上手く調和していた。 それと「ウェスタン・シンフォニー」。 西部劇の酒場にいるような楽しい雰囲気がとても良かった。 「曲から入るタイプである」と「アンダンテ」の金森穣は言っている。 しかしバッハの選択はどうだろうか? 「・・二人のカラダは人生をかけた作品」とも言っている。 二人は名誉K中村祥子とオールマイティ厚地康雄のイメージが強い。 大人の厚い味は出ていたが、もう少し華麗な楽曲にして二人の人生をより肯定しても面白...

■ジェローム・ロビンスに捧ぐ

*以下□の4作品を観る. □アン・ソル■音楽:ラヴェル,振付:ジェローム・ロビンス(1975年作),出演:マリ=アニェル・ジロ他 □トリアード■音楽:ニコ・マーリー,振付:パンジャマン・ミルピエ,出演:マリ=アニェス・ジロ他 □イン・ザ・ナイト■音楽:ショパン,振付:ジェローム・ロビンス(1970年作),出演:アニエス・ルテステュ他 □コンサート■音楽:ショパン,振付:ジェローム・ロビンス(1956年作),出演:ドロテ・ジルベール他,(4作共)舞団:パリ・オペラ座バレエ団&管弦楽団,指揮:コーエン・ケッセルス,映像監督:ヴィンセント・バタリオン ■アマゾン配信,(パリ・オペラ座ガルニエ宮,2008.9収録) ■4作の中で「トリアード」はミルピエ振付による作品。 彼はロビンスの弟子だったらしい。 師弟との繋がり方はよく知らないので、ミルピエをここに登場させた理由も分からない。 「コンサート」は見始めてすぐに既視感があった。 調べてみると「  NHKバレエの饗宴2025」でスターダンサーズ・バレエ団の舞台を観ていたことが判明。 ユーモアに富んだ楽しい作品で客席からの笑いが絶えない。 心に残ったのは「イン・ザ・ナイト」。 3組のペアがそれぞれ異なる雰囲気を持ち個性を発揮していた。 星空のみ、あるいはシャンデリアだけという背景のシンプルさが、舞台に落ち着きと詩情を与えていた。 「アン・ソル」はまるでフロリダの陽気さを讃えるような雰囲気だ。 しかしデュオの二人がその世界観に溶け込めておらず、ちぐはぐな印象を受けた。 白い衣装も舞台の色調と合っていなかった。 全体を通して、 時代が遡るほど作品に深みと豊かさが感じられた。 音楽の選曲もそれを後押ししていたように思う。 *さいたま芸術劇場・資料、 ジェローム・ロビンスに捧ぐ *「ブログ検索🔍」に入れる語句は、ジェローム・ロビンス ・・ 検索結果は5舞台 .

■ドン・キホーテ

■監督:熊川哲也,出演:白石あゆ美,伊坂文月,浅野真由香,堀内將平,舞団:Kパレエ ■恵比寿ガーデンシネマ,2016.6.4-17(オーチャードホール2016.3.12収録) ■「楽しんでくれ!」と熊川がインタヴューで叫んでいたが本当に楽しめた。 テンポはいいし振付も面白い。 ダンサーたちも素晴らしい。 舞台は城壁が迫るので集中できる。 残念なのはただ一つ。 カメラワークが酷すぎる。 動いているダンサーをカメラが追い続けるので目が回る。 それをショットの連続でするのでどうしようもない。 しかも1ショット4秒前後で切ってしまっている。 カメラスタッフは舞台が何であるかを知らない。 先日の「 NHKバレエの饗宴 」でもこの話をしたが今回は最悪であった。 しかしこれを乗り越えて面白い作品に仕上がっていた。 2幕のジプシーや夢の場面も違和感がない。 3幕フィナーレまで一気通貫であった。 *カンパニーサイト、 http://www.k-ballet.co.jp/news/view/1607