■NHKバレエの饗宴2014

■指揮:大井剛史,演奏:東京フィルハーモニー交響楽団
■NHK・Eテレ
去年が面白かったので今年も観てしまった。 NHKの映像・音響は技術も技能も確かである。 近頃舞台作品を映画などでよく観るがNHKよりも質が落ちる。 今年は6作品を上演。 気に入った作品は残念ながら無かった。
「スコッチ・シンフォニー」、振付:G・バランシン、音楽:F・メンデルスゾーン、出演:スターダンサーズ・バレエ団
バランシンとメンデルスゾーンの組合せは初めてかな? ダンサーを通しての音楽は良かった。 でもダンサーとバランシンの関係は平凡に感じた。 振付・音楽・ダンサーの組合せに何かが不足しているようだ。 うまく表現できないが・・
「3月のトリオ」、音楽:J・S・バッハ、チェロ演奏:古川展生、振付・出演:島地保武・酒井はな
振付は面白い。 島地の動きが良い。 酒井は一歩退いているようだ。 この為二人の関係が少し疎遠にみえる。 チェロが粘っても二人の心は近づかない。 これで彼らが対等になったら作品は完成だろう。
「THE WELL-TEMPERED」、音楽:J・S・バッハ、ピアノ演奏:若林顕、振付・出演:首藤康之、中村恩恵
二人の精神は親密だ。 神聖さも漂っている。 前作品の島地と酒井の固さが再び過る。 上演企画者は「3月のトリオ」と比較しろと言っているようにみえる。 振付は「3月のトリオ」の方が新鮮味があった。
「ドン・キホーテ第1幕」、原振付:M・プティパ、演出:貝松正一郎、出演:貝松・浜田バレエ団
初めて見るバレエ団である。 群衆も衣装も振付もこのゴチャゴチャしたところが、なるほど大阪を感じる。 繁華街の道端で上演しているようで楽しい。
「ラ・シルフィードからパ・ド・ドゥ」、振付:A・ブルノンヴェル、音楽:H・レーヴェンショルド、出演:吉田都、F・バランキェヴィッチ
吉田はまさに自然体といってよい。 <悟りを開いている>ようにみえる。 相棒のバラキュヴィッチは人工体だ。 残念ながら悟りを開くには程遠い。
「ベートーヴェン交響曲第7番」、振付:U・ショルツ、出演:東京シティバレエ団
いわゆるシンフォニック・バレエというものらしい。 しかしこの曲はリズムはあるが機械というものを思い出してしまう。 つまりロボットである。
インタビュで「ヘトヘトになる」とダンサーが答えていた。 これはヒョットしたらヘトヘトになって楽しいぞ! しかしそのように見えなかった。 最後まで機械で押し通したのが立派である。