■五右衛門ロックⅢ

作:中島かずき,作詞:森雪之丞,演出:いのうえひでのり,出演:古田新太,三浦春馬,蒼井優,劇団☆新感線
丸の内東映,2014.3.29-(2014.3.29収録)
演劇的余白が無かったですね。 相当カットしたのでしょう。 これで中身が凝縮し過ぎてしまった。 でも歌詞がストーリーにピッタリ寄り添っていて盛り上がりましたね。 早いテンポはまさにロックを聞くより観ているようでした。
前半は新しいキャラクタがタイミングよく次々と登場するので、その都度物語の奥に分け入るドキドキ感が持てました。 しかも空海の秘宝を追い求める物語も想像力が沸き起こります。 堺商人やポルトガル商人?を絡ませたのも厚みが増しましたね。
五右衛門の云う「若い役者に台詞を譲る」に、明智心九郎と猫の目お銀も見事に答えています。 秀吉の朝鮮出兵などを批判して「自分の国は外から見るとよくわかる」の通り、ポルトガル?へ旅立つ終幕も力強さがありました。
しかし深い悲しみや不安などの心情は描かれていません。 ただ心九郎とお銀の恋心が微かに見えただけです。 「本作は頭をからっぽにしてお楽しみいただける作風となっております・・」とチラシにありましたが、その通りの作品です。
*ゲキxシネ作品