■テンペスト

演出:白井晃,出演:古谷一行,高野志穂ほか
新国立劇場・中劇場,2014.5.15-6.1
舞台は工場内の仕掛倉庫のようです。 遠くまでダンボールやクレーンが見えていて壮観ですね。 役者の流れに合わせてダンボールを棚ごと移動したり、生演奏の動きも工場倉庫で働いているようで面白い。 布の使い方や照明もよかった。
一番嫌いな劇場ですがその欠点をすべて克服していました。 この劇場が活き活きしているのを初めて見ました。 しかも芝居内容とは無関係な場所のようでビータ・ブルックの何もない空間を思い出させます。
前半は少し眠くなりました。 休息を挟んで後半は俄然生き返りました。 リズムがピッタリ合いだしたからです。 前半はもっと硬さが有ったほうが入り易いかもしれない。
古谷一行は「台詞を喋っている」ような喋り方で面白い。 科白を忘れてしまうのではないかとハラハラする場面もありました。 しかしそれがテンペストが持っている肝心な何かを齎しています。
白井のオセロを一年前に観ていますが、彼の劇場の使い方が近年素晴らしくなっていますね。 次作も楽しみです。