■捨て身

出演:宮下省死
キドアイラックアートホール、2014.5.30-31
宮下省死の舞踏は科白が入る。 肉体のエンジンに言葉のターボを持った車のようだから、ここぞという場面は強い。 宇宙は膨張するか収縮するか? この繰り返しを輪廻転生に繋げていく。 そして首に賭けたお守袋を取り出し自身の履歴を語る・・。
この世に<再び>生まれたことは例え夢でも奇跡である。 この喜びを両親や子供時代の記憶にして文字や人形で表現していく。 上演チラシの作り方、物忘れ、力道山、夢の話・・、断片を喋りそして竹笛を吹きながら幕が下りる。
舞踏家の多くは深淵な感じがする。 しかし彼の身体は近くにみえる。 ある種の自由を観客に与えてくれるからだろう。 今回の作品は後半がサラッとしすぎている。 だから最後にもう一言欲しかった。 初めが宇宙論だから終わりの話は脳科学論しかない。