■NHKバレエの饗宴2018

*以下の□4作品を観る。
■指揮:井田勝大,管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
■NHK・Eテレ,2018.5.20(NHKホール,2018.4.7収録)
□「くるみ割り人形第2幕から」,振付:ウェイン・イーグリング,音楽:チャイコフスキー,出演:木村優里,井澤駿,新国立劇場バレエ団
■シーズン作品の中から選ぶので「くるみ割り人形」になったのだろう。 今季作品の中では平凡だが妥当かもしれない。 ディヴェルティスマンのため夫々の場面を観客は楽しめる。 気に入ったのは「花のワルツ」。 一番バッターだから賑やかの方がよい。
□「Chimaira/キマイラ」、振付:平山素子,出演:小尻健太,鈴木竜,堀田千晶,平山素子
■これは面白い! インタビューで平山は「・・現れ、解体し、違う何かに変わっていく」と解説している。 例えば組体操が崩れてしまったような、4人が喧嘩をしているような、・・ような。 一瞬「・・ような」意味が見えるが直ぐに消えていく。 身体も意味も流れとともに変容していく。 新作初演らしいが驚きの振付だった。 脳味噌が久しぶりにビビッと来た。
□「Flowers of the Forest」,振付:デヴィッド・ビントレー,音楽:アーノルド・ブリテン,出演:吉田都,マティアス・ディングマン,渡辺恭子,池田武志,スターダンサーズ・バレエ団
■「多彩なステップで描き出すスコットランドの光りと影」とある。 背景の空模様は重く暗い。 男性衣装のガウンも見た目に重く感じる。 後半、光りと影が混ざり合い音楽のリズムに乗って重さは恍惚感を伴ってくる。 バレエを観る愉しみがあった。
□「ラ・バヤデールから影の王国」,振付:ナタリア・マカロワ,音楽:ミンクス,出演:上野水香,柄本弾,東京バレエ団
■作品の佳境だが抜粋のため物語には入り難い。 でもバレエらしいバレエで幕を閉じたかったのは分かる。 みる機会が少ない人にはよいかもしれない。 フィナーレで上野水香は木村優里の挨拶を見つめていたが彼女のクララをどう見ただろうか?
*NHKサイト、https://www.nhk-p.co.jp/ballet/index.html