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■シェルカウイ 踊りで世界を救う、41日の闘い

■監督:清水真紀子,出演:シディ.ラルビ.シェルカウイ,ディミトリ.ジュルド,ファビアン.トーメ,ジョニー.ロイド,パトリック.ウィリアムズ,パク.ウージュ,吉井盛悟ほか,ナレーション:森山未來 ■(日本,2016年) ■アントワープ出身シェルカウイが演出した「FRACTOS Ⅴ」の作成過程をドキュメンタリーにしている。 毛色の違うダンサー5人と演奏家3人が登場する。 シェルカウイ自身もダンサーの一人として踊る。 「情報が人を操作する世界」を描く。 情報が蔓延する世界は真実や事実から遠く離れてしまった。 言語学者チョムスキーが出処らしい。 シリア難民やベルギー連続テロなどを舞台に乗せて混乱していく様子をストーリーにしているようだ。 西洋と東洋の融合も考えている。 フラメンコ舞踊ファビアンと和太鼓吉井の練習風景が長々と続く。 フラメンコと太鼓の組み合わせは面白いが、二人の動きがどうしても合わない。 結局は大人の都合(?)で折り合いが着く。 シェルカウイは言う。 「・・過去を壊すこと手放すこと、そうすれば新たな生命が生まれる」。 「アートは既存システムを壊すためにある」。 スローモション風の振付だった「PULTO」を思い出してしまった。 この振付がシェルカウイのものだと分かる。 今回もダンサーたちがゆっくりと動き重なり探り合っていく親密な振付になっている。 本番舞台は数分しか映らなかったので何とも言えないが。 独特な身体動作に現代テーマを絡ませる彼の作品は当分目が離せない。 *SPICE、 https://spice.eplus.jp/articles/52773

■今日と明日の間で

■監督:小林潤子,出演:首藤康之,中村恩恵,小野寺修二,斎藤友佳理,シディ・ラルビ・シェルカウイ ■東京都写真美術館,2012.1.7-29(日本,2011年作品) ■観ながら熊川哲也を思い出してしまいました。 首藤康之とはコミュニケーションの質の違いでしょう。 資本主義の時代を生きていく限り、他者とのコミュニケーションを通して職業上特に戦略で重要な決定をする必要があります。 大分文化会館で「舞台から客への、客から舞台へのコミュニケーションが・・」と言っていますが今一番求めるものとは違うはずです。 だから「空白に落ちた男」で小野寺修二と「アポクリフ」でシェルカウイと本当の話し合いは無かったのではないでしょうか? 「時の庭」や「今日と明日の間で」は首藤の長所を生かした踊りです。 新作は素晴らしい。 振付が中村恩恵ですが新作の話などが彼女から聞けなくて残念でした。 前回の「ソネット」でも首藤を引き立てていましたから良き相棒のようです。 しかし今の首藤には戦略の構築が必要です。 中村恩恵とは違った世界の相棒も増やす必要があります。 「夢中になって打ち込んでいけば」でも良いのですがまだ十分に間に合います。 *作品、 http://kyo-asu.com/

■舞台・エヴァンゲリオン ビョンド

■演出:シディ・ラルビ・シェルカウイ,上演台本:ノゾエ征爾,出演:窪田正孝,石橋静河,板垣瑞生ほか ■ミラノ座,2023.5.6-28 ■初めての劇場です。 メタリックな竹模様が逆に無機質を感じさせる。 ロッカー(クローク)が無いのは残念、トイレも狭い。 エレベータは止まらない。 高層劇場のため余裕がないのは致し方ない? 会場内はチープですが機能的です。 椅子もそれに従う、でも長時間座っていると疲れる。 エヴァンゲリオンは苦手な漫画です。 いつも数分みただけで遠ざけてしまう。 舞台なら最後まで観ることができる? 劇場見学のついでにチケットを購入しました。 使徒が何者か?やっと分かりました。 それは古代ギリシャから続いている地水火風、つまり自然の化身だったのですね。 地球を荒廃させている人類は人間精神と科学技術を結合したエヴァというロボットで使徒と戦う・・。 結合された操縦士の子供たちは幾つもの二元論的矛盾に悩むという話です。  舞台は凝っています。 床を傾かせて映像を映す。 三次元的映像にして迫力を増している。 エヴァはパペット型で人形遣いが動かし、俳優である操縦士は横で演技をする。 使徒もパペットです。 特に人形遣いが目立つ。 彼らはダンスで舞台を盛り上げ、場面転換を繋ぎ、大道具を動かす。 これは楽しい。 しかし俳優の声は平均化した音響で盛り上がらない。 マイクに依存し過ぎている。 科白も8割は説明調です。 ChatGPTが演じているみたいでした。 観客は20代女性が7割を占めていたが贔屓筋ですか? 他に高齢者が1割、・・。 それと煙草を吸う場面があったが理解に苦しみます。 *CoRich、 https://stage.corich.jp/stage/250631 *「ブログ検索🔍」に入れる語句は、シェルカウイ ・・ 検索結果は5舞台 .

■ウィズイン・ザ・ゴールデン・アワー  ■メデューサ  ■フライト・パターン

*以下の□3舞台を観る. ■TOHOシネマズ日比谷(コヴェント.ガーデン,2019.5.16収録) □ウィズイン.ザ.ゴールデン.アワー ■振付:クリストファー.ウィールドン,音楽:エツィオ.ボッソ,アントニオ.ヴィヴァルディ,衣装:ジャスパー.コンラン,指揮:ジョナサン.ロウ,出演:ベアトリス.スティクス=ブルネル,フランチェスカ.ヘイワード,サラ.ラム他 ■7組ダンサーがヴィヴァルディの音楽、暖色系照明と色彩を背景に動く姿を前にするとダンスを観る喜びが湧き起こってくる。 「画家グスタフ・クリムトの影響が大きい」。 振付家の言葉通り衣装はクリムトそのままだ。 物語は観客に任せると言っていたが6章前後の構成には核が無い。 抽象と具象の間でうろうろしてしまう舞台だった。 男性ダンサー二人の登場する4章(?)は躍動感があった。 □メデューサ ■振付:シディ・ラルビ・シェルカウイ,音楽:ヘンリー.パーセル,電子音楽:オルガ.ヴォイチェホヴスカ,衣装:オリヴィア.ポンプ,指揮:アンドリュー.グリフィス,出演:ナタリア.オシポワ,オリヴィア.カウリー他 ■ギリシャ神話メデューサを題材にしている。 振付が物語を膨らませる。 衣装もなかなかのものだ。 哀愁を帯びたテノール歌唱が感情の方向性を示していた。 人物相関がうろ覚えだったのでいつのまにか終わってしまった感じだ。 □フライト.パターン ■振付:クリスタル・パイト,音楽:ヘンリク.ミコワイ.グレツキ,指揮:ジョナサン.ロウ,出演:クリステン.マクナリー,マルセリーノ.サンベ他 ■36人のダンサーは酷寒の労働者風身なりで登場する。 群衆の動きは最後まで崩さない。 場面ごとに入るアクセントが計算されつくしている。 演劇の一場面をみているようだ。 しかしダンサーの顔が識別し難いので物語を引き寄せることができない。 しかも核となる場面が無い。 これは最初の「・・ゴールデン・アワー」でも言えた。 久しぶりのトリプルビルだったがどれもマアマアの印象だ。 どれも決定打が押し寄せてこなかった。 *ROH英国ロイヤル.オペラ.ハウス シネマシーズン2018作品 *主催、 https://tohotowa.co.jp/roh/movie/?n=...

■PLUTOプルートゥ

■原作:浦沢直樹,手塚治虫,演出:シディ・ラルビ・シェルカウイ,出演:森山未來,永作博美,柄本明,寺脇康文 ■シアターコクーン,2015.1.9-2.1 ■主人公たちはロボットである。 それも20世紀発想の旧型である。 演出家は手塚治虫ファンらしい。 舞台は二つのテーマを追う。 一つは、ロボットに感情を移植できるか? だが現代生物学も脳科学も登場しない。 人工知能とメモリチップぐらいである。 話が飛躍しすぎているがこれを承知すればそれなりの見応えはある。 作者と演出家の想像力の賜物だろう。 二つ目は、戦争で受けた憎しみを絶ち、次への戦争を回避することができるか? 結局は人間を引き継いだロボットが憎しみという感情を獲得し戦いは避けられなくなる。 似た作品に「 あの記憶の記録 」がある。 人の憎しみを国家間にまで拡張するとき、国家がいつのまにか見えなくなっている。 作品に限界を感じるのはこの為である。 美術や映像は素晴らしい。 技術と手作業の融合が行き届いている。 ロボットを操る黒子(衣装は白が多い)が文楽のように登場する。 この黒子は装置や道具を動かしダンスも演ずる。 役者の科白量は多くないが舞台全体で台詞を補い劇画のような感覚が迫ってくる。 とても面白く観ることができた。 *劇場サイト、 http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/15_pluto/