■シェルカウイ 踊りで世界を救う、41日の闘い

■監督:清水真紀子,出演:シディ.ラルビ.シェルカウイ,ディミトリ.ジュルド,ファビアン.トーメ,ジョニー.ロイド,パトリック.ウィリアムズ,パク.ウージュ,吉井盛悟ほか,ナレーション:森山未來
■(日本,2016年)
■アントワープ出身シェルカウイが演出した「FRACTOS Ⅴ」の作成過程をドキュメンタリーにしている。 毛色の違うダンサー5人と演奏家3人が登場する。 シェルカウイ自身もダンサーの一人として踊る。
「情報が人を操作する世界」を描く。 情報が蔓延する世界は真実や事実から遠く離れてしまった。 言語学者チョムスキーが出処らしい。
シリア難民やベルギー連続テロなどを舞台に乗せて混乱していく様子をストーリーにしているようだ。 西洋と東洋の融合も考えている。 フラメンコ舞踊ファビアンと和太鼓吉井の練習風景が長々と続く。 フラメンコと太鼓の組み合わせは面白いが、二人の動きがどうしても合わない。 結局は大人の都合(?)で折り合いが着く。
シェルカウイは言う。 「・・過去を壊すこと手放すこと、そうすれば新たな生命が生まれる」。 「アートは既存システムを壊すためにある」。
スローモション風の振付だった「PULTO」を思い出してしまった。 この振付がシェルカウイのものだと分かる。 今回もダンサーたちがゆっくりと動き重なり探り合っていく親密な振付になっている。 本番舞台は数分しか映らなかったので何とも言えないが。 独特な身体動作に現代テーマを絡ませる彼の作品は当分目が離せない。
*SPICE、https://spice.eplus.jp/articles/52773