2020年3月6日金曜日

■縛られたプロメテウス Prometheus Bound

■構成・演出:小泉明郎,出演:武藤将胤
■港区立台場区民センター,2020.3.3-7
■観客は何もない室に通され、そこでゴーグルを付ける。 室内を動き回ることができる。 まもなくゴーグルに映像が映し出され科白が聞こえてくる。
モノリス立方体が現れたり光の矢が飛ぶモノクロ映像だ。 品質は良いとは言えない。 それより科白が気にかかる。 その言葉は身体が壊れ死が近づいているように聞こえる。 映像と溶け合って夢の出来事に感じられる。 迫りくる死の予行演習をしているようだ。 ・・。
ゴーグルを外し次室に案内される。 椅子とディスプレイが並べてある。 次の観客が窓越しに見える。 前室と同期しながらディスプレイに役者が映し出される。 なんと声の役者は車椅子に座った難病ALS患者(後になって知る)だった。
次の観客を視界に入れながら、映像の役者を見つめ、その科白に再び集中する。 日常の愛も語るが、壊れゆく肉体をサイボーグに変えることを徐に話し出す。 そこに思いがけない<希望>が見えてくる。 ・・。
前半は(観客が)夢の端で死を思い浮かべ、夢から覚めた後半は(役者が)愛を確認し未来に希望を託す(、それを観客が観る)構造になっている。 予想もしなかった内容に衝撃を受ける。 これは演劇なのか? 演劇的興奮は確かにやってきたからである。 崩れゆく肉体と死、他者とサイボーグ、愛と希望、すべてが己の(未来の?)身体と強く繋がっていたからである。
*シアターコモンズ'20参加作品
*主催者サイト、https://theatercommons.tokyo/program/meiro_koizumi/